日本卸電力取引所(JEPX)によると、5月9日~15日のシステムプライスの週平均は13.16円/kWhとなり、前週比2.63円高となった。
ただし、前週は大型連休期間中だったことを踏まえると、さらにその前週である4月25日~5月1日の週平均との比較では上昇幅は0.04円にとどまり、市況に大きな変化は見られなかった。

関西エリアでは、5月8日4時24分に電気出力826MWの美浜原発3号機が設備故障により停止。これを受け、LNG火力や石炭火力の出力が引き上げられた。スポット価格への影響も懸念されたが、価格が大きく上昇する場面は確認されなかった。
背景には、大飯原発や高浜原発が引き続き稼働していたことからも、影響は限定的であったとみられる。

一方、四国エリアでは5月14日~15日にかけて、夜間時間帯で0.01円/kWhでの約定が連続して発生した。これまで最低取引価格となる0.01円/kWhでの約定は、太陽光発電の流入量が多い日中の時間帯に見られるケースが中心であり、夜間に記録するのは珍しい。
四国エリアでは、石炭火力の電源構成比率が約4~5割と全国でも高い水準にあるほか、伊方原発も稼働している。出力調整のしにくいベースロード電源の割合が高いなか、夜間需要が想定を下回ったことが考えられる。さらに他エリアとの分断も発生していたことで、エリア内で生じた余剰電力を域外へ流しにくい状況となっていた。
分断時のエリア別入札カーブは非公開のため断定はできないものの、売り入札に出された電力量のうち、原子力由来の低価格電源が優先的に約定した可能性もある。JEPXでは、売り入札は価格の低い順に約定する仕組みとなっている。
5月16日以降は、関東以西で最高気温が30℃を超える予報も出ている。冷房需要が出始める可能性もあり、価格への影響が注目される。一方、供給面では、東北電力の女川原発2号機が定期検査を終え、原子炉を再起動した。