2025年度 長期脱炭素電源オークションの約定結果、蓄電池の応札量は60%減少、新設原発も落札

2026年5月13日
新設の原発が初めて落札された
(画像:Petra ALT, CC BY-SA 3.0)

電力広域的運営推進機関は5月13日、2025年度実施の長期脱炭素電源オークションの約定結果を公表した。今回のオークションでは、合計10,856MWの応札があり、落札容量は調整係数適用後で7,299MW(落札率:約66.6%)、落札電源は計32件であった。

落札案件のうち、計28件・4,261MWが「脱炭素電源」、計4件・3,037MWは「LNG専焼火力」の区分で落札された。

2025年度は運転継続時間6時間未満の蓄電池案件が参加対象外となり、運転継続時間による区分も廃止された。一方で、蓄電池と揚水発電の枠が「揚水のリプレース案件とリチウムイオン蓄電池の案件」と「揚水の新設案件とリチウムイオン蓄電池以外の蓄電池およびLDES(長期エネルギー貯蔵システム)案件」の区分に再編された。また、サイバーセキュリティ基準や海外製のリチウムイオン電池セルの使用比率についての要件が設けられた。 

こうした要件強化を受け、蓄電池案件の応札容量は2024年度の約7GWから2025年度は2.7GWへと60%以上減少した。一方、落札容量は前年度の1.37GWから1.25GWと減少幅はわずかであった。このうち、リチウムイオン電池が551MW、それ以外の蓄電池が700MWを占めた。蓄電池全体では、脱炭素電源の枠で落札された合計容量の約29%を占めた。

また、揚水発電所は東京電力リニューアブルパワーの「塩原発電所」2号機のリプレース案件と、北海道電力の「京極発電所」3号機の新設案件が落札された。

脱炭素電源枠では、原子力発電所が合計落札容量の約46%を占めた。北海道電力は、既設原子力の安全対策工事を支援する区分で、「泊発電所」1号機で落札した。また、電源開発は青森県で建設中の「大間原子力発電所」で落札し、新設の原発として初めて容量確保契約を締結する。

水素専焼火力も初めて落札され、北海道を拠点に風力発電事業などを展開するCEFの関連会社のCEF H2と英・Hoku Energyの日本法人であるホクエナジーがそれぞれ1件ずつ落札した。また、同じく脱炭素電源枠では、火力発電所のアンモニア混焼への改修案件2件と、バイオマス専焼案件が1件落札された。

一方、LNG専焼火力枠ではJERAの「袖ケ浦火力発電所」1・2号機、北陸電力の「富山新港火力発電所」LNG2号機、九州電力の「(仮称)新小倉発電所6号機」の計4件が落札された。

経済産業省は2026年度以降の長期脱炭素電源オークション見直しに関する議論を始めている。リチウムイオン電池セルの調達先の経済安保推進法の認定状況によって、案件を優先的に約定する見直し案が検討されている。

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