
(画像:パワーエックス)
パワーエックスは7月15日、GPU専用データセンターを運営するハイレゾと、GPUデータセンターおよびAIコンピューティング基盤を支えるエネルギーインフラに関する協業検討の覚書を締結したと発表した。
協業の検討は、2つの領域で進める。一つ目は、データセンター(DC)に併設する蓄電システムの活用である。電力コストの最適化や電力市場での運用に加え、非常用電源などDCの強靭化に生かせるかどうかを、経済性や設備設計を含めて検討する。
二つ目はDC事業での連携で、営業やマーケティングでの協力、案件や設置候補地の共同開拓、インフラ投資家や金融機関との関係構築などを想定する。
背景には、生成AIの普及に伴うデータセンター整備の加速がある。膨大な計算処理を高速でこなす半導体であるGPUを搭載したサーバーは電力消費が大きく、系統の空き容量不足や電力コストの上昇が課題となっており、電力インフラと演算基盤を一体で設計および運用する重要性が増している。
ハイレゾは2019年から、AI開発に特化したGPU-DCを運営している。これまでに石川県、香川県、佐賀県の5ヵ所で、地方の廃校をはじめとした遊休施設を活かしたDCを開設してきた。
一方のパワーエックスは、国内で開発・製造する蓄電システムの提供に加え、アグリゲーションや市場取引、小売供給などの電力事業を手掛ける。2025年12月には東京証券取引所グロース市場に上場した。2026年3月には、岡山県玉野市の本社工場での製造ライン増設と、北海道苫小牧市への新工場開設を発表している。
同社の伊藤正裕CEOは、エネハブのインタビューに対し、データセンターを例に「コンピューターのシャットダウンには10秒以上、実際には40秒ほどかかるため、ソフトウェアで対応するのは不可能だ」と述べ、その間を補う蓄電池の必要性を説明していた。
データセンター向けに電力インフラを整備する動きは広がっている。直近では、JERAと横浜市が横浜港臨港地区で、JERAとさくらインターネットが東京湾で、それぞれLNG火力発電所併設のDCの整備を検討している。