
(画像:阪和興業)
鉄鋼分野の販売などを主力とする阪和興業は6月25日、FIT制度に基づく特定卸供給を活用した「自社電源活用スキーム」を、7月1日から開始すると発表した。自社で発電した再エネ電力を自社利用に紐づけることで、再エネ調達の最適化と環境価値の有効活用を目指す。
第一弾として、阪和流通センター大阪の倉庫棟屋上に設置された出力1.4MWの太陽光発電設備から、小売電気事業者であるグローバルエンジニアリングを通じて、阪和興業の大阪本社ビルに電力を供給する。同ビルの年間消費電力量約1,680MWhのうち、約27%に相当する約450MWhを本スキームで賄う。
「FIT特定卸供給」とは、FIT発電所で発電した電力を卸電力市場を介さず、送配電網を利用して特定の相手へ直接供給する仕組みである。これにより、小売電気事業者は特定の発電所に由来する非化石証書を直接購入できる。また、発電事業者はFIT価格による売電収入に加え、小売電気事業者から1kWh当たりの追加収益を得ることができる。
阪和興業は今後、グローバルエンジニアリングと連携し、発電設備を保有する企業や再エネ調達の高度化を目指す企業向けに同スキームを提案する方針だ。
FIT特定卸供給は、コーポレートPPAと並ぶ再エネ調達の選択肢の一つである。2025年には、のぞみエナジーとJERA CrossがFIT特定卸供給を通じた電力供給を開始した。また、2026年4月には滋賀銀行が、子会社が保有するFIT太陽光発電所の電力を同仕組みで調達している。