
(画像:貫名慶史/エネハブ)
スマートエナジーとパワーエックスは9月1日、太陽光発電所併設型蓄電池の導入推進に向けた協業検討の覚書を締結したとそれぞれ発表した。両社は、2026年12月までに1件、2027年12月までに3件、2028年12月までに10件程度の案件組成を目指す。
今回の協業では、スマートエナジーが太陽光発電所のO&M(運用・保守)事業を通じて構築したネットワークを活かし、蓄電池の導入に適した案件を発掘して発電所の所有者に提案する。導入後のO&Mも同社が担う。パワーエックスは、国内で開発および製造する蓄電システムを供給する。
需給調整市場や卸電力市場への参加を見据えたアグリゲーションは、スマートエナジーの子会社であるスマートエナジーサーキュラーとパワーエックスが共同で手掛ける。アグリゲーターとしての登録主体や、収益やリスクの分配は、案件ごとに協議して決定する。
契約形態は、市場取引(マーチャント契約)に加え、固定価格で取引するトーリング契約の提案も視野に入れる。両社によると、アグリゲーションを共同で運営することで取扱電力量や信用力を確保し、単独では対応が難しい大型のトーリング契約にも応じられる体制の構築を目指す。発電所併設型蓄電池の事業化には、案件の発掘・組成から資機材の調達、O&M、アグリゲーションまで幅広い専門性が求められる。JC-STAR制度に準拠した設備の選定も課題になっているとしている。
スマートエナジーは、2026年1月時点で4.8GW超の太陽光発電所にO&Mサービスを提供している。2025年2月には蓄電池を対象としたO&Mサービスを開始し、ENEOSリニューアブル・エナジーの太陽光発電所に併設した2MW/10MWh蓄電池を初号案件とした。2026年3月には、アグリゲーション事業の展開に向けてスマートエナジーサーキュラーを設立している。
パワーエックスは2025年6月、SMFLみらいパートナーズが保有する福岡県の太陽光発電所に、同社初となる発電所併設型の蓄電システムを納入した。その後、センコーが保有する1.5MWac太陽光発電所についても、蓄電システムの供給とアグリゲーションを担う契約を締結している。
出力制御量の多い九州エリアを中心に、FIT認定を受けた太陽光発電所に蓄電池を後づけし、FIPへ移行する動きは広がっている。蓄電池の併設により、出力制御に伴う売電機会の損失を抑えることが目的である。