
(画像:ケネディクス)
小売電気事業およびアグリゲーション事業を手掛けるFPSは8月31日、親会社の日本GLPが保有する同社の全株式をケネディクスが取得したと発表した。取得額は公表されていない。
FPSは、ケネディクスのグループ会社であるケネディクス・グリーンエナジーに対し、これまでも再エネアグリゲーションや電力小売のサービスを提供してきた。FPSによると、今回のグループ参画では、同社が培ってきた需給管理、市場取引、電力小売およびアグリゲーションのノウハウと、ケネディクスグループが持つ再エネ事業の基盤を組み合わせる。
これにより、再エネの調達から需給管理、電力供給、市場取引までを一体的に運用する体制を強化する。なお、既存顧客との契約関係への影響はないとしている。
ケネディクスは不動産アセットマネジメント会社で、2023年に取次事業者のケネディクス・グリーンエナジーを設立した。同社は再エネPPAを事業の中核に位置づけ、グループ会社や他社へ再エネ電力を供給している。今回の買収により、これまでFPSから提供を受けてきたアグリゲーションや電力小売の機能をグループ内で担う体制となる。
エネハブのPPAデータベースによると、ケネディクスはこれまでにも複数のPPAを通じて太陽光発電の電力を調達してきた。丸紅新電力を小売電気事業者とする18MWdcのオフサイトPPAでは、ケネディクス・グリーンエナジーが取次を担った。日本ベネックスが開発した1.7MWdcの屋根設置太陽光を対象とするオフサイトPPAもあり、同設備はKDX不動産投資法人などが所有する物流センターに設置され、2026年3月に運転を開始した。
一方、日本GLPは2021年11月、会社更生手続きを進めていたF-Powerの電力小売事業を引き継ぐためにFPSを設立した。日本GLPは同年、F-Powerの再建支援に合意していた。
近年、FPSは複数のPPAに参画している。海帆子会社のKRエナジー1号とアマゾンデータサービスジャパンとのPPAではアグリゲーターを務め、シン・エナジーと野村不動産プライベート投資法人とのPPAでは小売電気事業者を担った。2026年7月には、アグリゲーターとしてコニカミノルタとバーチャルPPAを締結し、屋根設置太陽光の余剰電力に伴う年間約1GWhの環境価値を供給している。
再エネ電源を保有または調達する企業の間では、電力小売や需給管理の機能を取り込む動きが出ている。2026年3月には、海帆が小売電気事業者のどんぐり電力の株式49%を取得し、発電量予測やインバランス管理を内製化した。海帆によると、PPAの需給調整コストの削減が狙いである。