
電力広域的運営推進機関は9月2日、2026年度を応札年度とする長期脱炭素電源オークションの募集要綱を公表した。蓄電池と揚水発電、LDES(長期エネルギー貯蔵システム)については、7月14日の経済産業省の専門家会合(電力安定供給ワーキンググループ)で示された案の通り、募集区分と募集上限が変更された。
2026年度の脱炭素電源の募集量は、2025年度と同じ5GWである。蓄電池の参加対象も2025年度から変更せず、出力30MW以上かつ運転継続時間6時間以上の蓄電池およびLDESを対象とする。一方、募集区分は大きく見直された。
2026年度は「リチウムイオン蓄電池」「リチウムイオン蓄電池以外」「揚水・LDES」の3区分に再編し、それぞれに募集上限400MWを設定した。2025年度は「揚水のリプレース案件とリチウムイオン蓄電池の案件」と「揚水の新設案件とリチウムイオン蓄電池以外の蓄電池とLDESの案件」の2区分で、募集上限は各400MWだった。
経済産業省によると、2025年度に募集上限を2区分に分けて設定していたのは、調整力がリチウムイオン蓄電池に過度に偏ることを回避するためである。2026年度の再編については、系統接続の申込みが大幅に増えている蓄電池の落札ペースを引き続き調整する一方で、慣性力やブラックスタート機能を備える揚水発電を一定程度確保する観点から区分を分けたと説明している。
募集上限を超える案件の扱いも変更となった。2025年度は、脱炭素電源全体の落札容量が募集量に達しない場合、区分ごとの募集上限を超えて最大2倍までの落札が認められていた。2026年度は、全体の落札容量が募集量の5GWに達しない場合でも、各区分の募集上限を超える案件は原則として約定しない。ただし、募集上限をまたぐ案件はこの限りではない。
このほか、リチウムイオン電池の海外製セルについて、調達比率を製造国ごとに30%以下に制限するルールが廃止された。代わりに、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」(経済安全保障推進法)に基づく供給確保計画の認定を受けたメーカーのセルを使用する案件を、優先的に約定するルールが導入された。
オークションのスケジュールは、事業者情報の登録が2026年10月13日〜16日、応札の受付が2027年1月19日〜26日で、約定処理は2027年4月下旬を予定している。
2026年度の蓄電池と揚水発電の募集上限は3区分で計1,200MWとなる。2025年度は蓄電池と揚水の2区分でそれぞれ819MW、886MWが落札されており、上限を超える落札が原則認められなくなる2026年度は、落札可能な容量が前年度を下回る可能性がある。