
(画像:国土交通省)
九州電力は8月27日、大分県日田市と熊本県小国町で計画する最大出力100MW級「(仮称)下筌・松原揚水発電所新設計画」の計画段階環境配慮書を、関係行政機関に提出したと発表した。縦覧期間は、2026年8月28日〜9月28日。
事業実施区域は、両市町の県境付近の約9,540ha。筑後川水系の下筌ダムを上池、松原ダムを下池として活用し、電力需要が少ない時間帯に上池へ揚水する。2030年に着工し、2038年の運転開始を目指す。
両ダムは国土交通省が管理しており、同社は河川管理者である九州地方整備局と連携して導入可能性の検討を進めてきた。1969年と1971年にそれぞれ運転を開始した貯水池式の出力15MW「下筌発電所」および50.6MW「松原発電所」は、新設後も運転を継続するとしている。
同社は今後、長期脱炭素電源オークションに参加し、容量確保契約の獲得を目指す可能性がある。電力広域的運営推進機関によると、これまでの同オークションでは7件の揚水発電案件が落札されている。落札案件には、北海道電力の200MW「京極発電所」3号機の新設のほか、既設設備のリプレース案件も含まれる。
経済産業省は2026年度の同オークションについて、新設する揚水発電所の入札上限価格を72%引き上げ、年間20万円/kWとする見込みである。同省によると、近年に運転を開始した揚水発電所が少なく、直近の物価上昇を反映した水準に見直す必要があるためである。
九州電力は2025年3月時点で、水力発電所139ヵ所・計3,588MWを保有する。そのうち3ヵ所が揚水発電所である。熊本県の500MW「大平発電所」、佐賀県の600MW「天山発電所」、宮崎県の1,200MW「小丸川発電所」である。小丸川発電所は2007年から2011年にかけて順次運転を開始した。また、宮崎県の50MW「諸塚発電所」を揚水発電へ改修する検討も進めている。