
(画像:農林水産省)
農林水産省は2026年4月、営農型太陽光発電の適正化に向け「農山漁村再生可能エネルギー法」(農山漁村再エネ法)に基づく基本方針を踏まえた、農地一時転用手続きと審査基準の見直し案を公表した。
これは、地域共生の観点から、不適切な大規模太陽光発電(メガソーラー)への対応を進める対策の一環として位置づけられている。
国内では営農型太陽光発電の導入が拡大しており、2023年度末時点で6,137件、計1,362haの農地が一時転用許可を受けている。一方、設置済み5,167件のうち24%で下部農地での営農への支障が確認され、前年の22%から増加した。また、FIT/FIP認定を受けている営農型太陽光発電事業の違反による交付金の一時停止措置も近年行われている。こうした状況を踏まえ、政府は「望ましい営農型太陽光発電」の考え方や勧告基準を明確化し、営農への悪影響を抑える方針だ。
現行制度では、事業者が農地法に基づいて一時転用を申請する仕組みとなっている。改訂案では、新たに農山漁村再エネ法に基づく認定取得を申請条件に追加する。農地法だけでは十分に考慮しきれなかった地域共生の視点を、制度面に組み込む狙いがある。
既存事業者に対しても、運用は厳格化される見通し。基本的には現行基準を適用するが、新基準への対応を最大限求めるとしている。
再許可時の審査では、必要な労働力の確保が要件。それに加え、パネル下で栽培する作物は50万円以上の生産・販売実績を有することが求められる。また、栽培作物は地域で一般的に生産され、販売ルートが確立していることや、原則として毎年収穫可能なことも要件となる。
さらに、「望ましい取り組み」として、営農者が将来の地域農業を担う存在として位置づけられていることや、発電設備による遮光率を30%未満に抑えることを明示した。設備面では、営農に支障を与えないよう概ね地上高が3m以上、支柱間隔4m以上を確保することも求める。また、発電事業者から営農者などへの適正な利益還元も重視する。
加えて、国主導の取り締まりも強化する方針だ。国による監査・現地調査の対象基準は、現行の4ha以上から2ha以上へ引き下げられる見通し。勧告や命令の発出基準も明確化し、提出報告書に加えて衛星データも活用しながら違反を把握し、地方自治体へ通知する仕組みを導入する。
さらに、勧告後に一定期間内の改善が確認できない場合には、一時転用許可の更新を認めない方針を示したほか、一時転用許可期間の短縮も検討している。
政府は今回の規制強化を通じて、営農継続を最優先に位置づける。また、地域社会に受け入れられる再エネ事業の推進を目指す考えだ。