Energy Vault、日本の系統用蓄電所市場を4〜5年前のERCOTと評価、IRR10%台前半を想定

2026年5月18日
同社はニューヨーク証券取引所に上場している
(画像:Energy Vault))

米・蓄電システム大手のEnergy Vaultは、現地時間の5月5日に開催した2026年第1四半期決算説明会において、日本の系統用蓄電所市場の見通しを説明した。同社は4月9日、850MW規模の系統用蓄電所の開発案件を取得し、日本市場に参入する計画を発表していた。

同社のRobert Piconi CEOは、「日本市場は非常に興味深い。4〜5年前のERCOT(米・テキサス州の独立系統運用機関)の状況に似ている」と述べた。そのうえで、「周波数調整やその他の系統安定化のためのアンシラリーサービス、アービトラージ(裁定取引)などの機会を伴いながら、ERCOTと類似した経済環境へ発展していくと見ている」との見解を示した。

ERCOTは従来、容量市場を持たないエネルギー・オンリー市場を基本としてきたが、近年は電力需要の急増や再エネ拡大への対応を背景に、リアルタイム市場の高度化や調整力の拡充など制度変更を進めている。

売電価格や投資利回りについて問われたMichael Beer CFOは、具体的な数値への言及は避けたものの、「日本市場は魅力的であり、当社は他社に先行して参入できていると考えている」とコメント。これに対しPiconi CEOは、「参入初期段階では10%台前半のIRR(内部収益率)を想定しており、今後の最適化による上振れ余地もある」と述べた。

さらに同CFOは、「高速周波数応答(一次調整力に相当)や需給調整、時間帯ごとの価格差を取り込む機会が見込まれる」と説明。「一般的に、こうした市場力学は追い風となり、新規参入者も同様の見方をしている」と語った。

資金調達面では、日本の案件を米国やオーストラリアと同様の考え方で評価しているとしつつ、低金利環境にある点が日本の強みだと説明した。

Energy Vaultは日本で取得予定の案件のうち350MWを2028年下期までに稼働させる目標を掲げているが、売主は明らかにしていない。

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