
(画像:中国電力)
中国電力、中電工、みずほリースの完全子会社であるエムエル・パワー、日本政策投資銀行の4社は8月17日、系統用蓄電所事業を共同で手掛けるSPC(特別目的会社)「下松バッテリーエナジー合同会社」を設立したと発表した。同SPCの出資比率は公表されていない。
下松バッテリーエナジーは、山口県にある中国電力の下松発電所跡地に、約32MW/約96MWh「下松蓄電所2号」を開発する。2026年8月に着工し、2029年度中の運転開始を予定している。
同蓄電所は、経済産業省の2025年度予算「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に採択された。補助金の執行団体である環境共創イニシアチブ(SII)の資料では、中国電力、中電工、エムエル・パワーが申請者として記されており、交付額は約26億5,400万円となっている。
同じ敷地内には、2025年12月に着工した中国電力の約16MW/約48MWh「下松蓄電所」があり、2号とともに一体的に運用される。下松蓄電所も2024年度の同補助金に採択されており、交付額は約19億5,900万円である。なお、2号の設置に伴い「下松蓄電所1号」に改称する予定で、2028年度中の運転開始を見込む。
中国電力は、本事業を通じて運用ノウハウを蓄積し、アグリゲーションをはじめとするサービス領域の拡大を図る方針だ。
エムエル・パワーは、これまでに複数の蓄電所事業に参画している。2026年4月には北陸電力と富山県で1.9MW/8MWh「舟橋蓄電所」を共同開発すると発表した。同月には、森トラストが滋賀県守山市で開発する8.7MW/19.7MWh「琵琶湖蓄電所プロジェクト」へ出資した。中国電力グループの中電工は、主に電気設備工事を手掛ける。下松蓄電所2号は、同社が初めて公表した蓄電所案件となる。
下松発電所は、出力700MWの石油火力発電所だった。2019年に運転を停止し、2023年に廃止された。本案件は、廃止された火力発電所の跡地と既存の系統接続を大規模蓄電所向けに転用する動きの一例となる。