
(画像:NTTデータ)
NTTデータ、フォーアールエナジー、日産トレーディングは6月25日、NTTデータがデータセンターの安定稼働を支える無停電電源装置(UPS)を活用した調整力提供に向けた技術検証と設備構築を開始すると発表した。データセンター(DC)事業者として、2027年度から需給調整市場へ参入することを計画している。
各社の役割は、NTTデータがフィールド提供や設置工事・運用、エネルギー最適化の推進を担い、フォーアールエナジーが電気自動車(EV)リユースバッテリーの製造と提供、日産トレーディングがEVリユースバッテリーを用いた蓄電池の構築と供給をそれぞれ担う。
UPSには、EVで使用されたフォーアールエナジー製のリユースバッテリーを活用する。これにより、新規蓄電池の製造を抑えながら必要な蓄電容量を確保し、調整力の提供と資源循環の両立を図る計画だ。
本取り組みは、NTTデータが国内で運営するDCを対象に実施する。2030年までに、年間最大50MWの調整力を提供する計画の一環である。電力需給がひっ迫した際にはUPSから放電し、需給に余裕がある際には充電する。需給調整市場では、高圧の機器個別計測を活用する「一次調整力」に、オフライン(時短制御)の運用形態で参加する予定である。
DCなど大規模施設向けUPSを活用した需給調整市場への参入では、東芝が2024年に技術検証を実施している。同社は開発中のUPSが、電力需給調整力取引所(EPRX)の運用時技術要件を満たすことを確認した。また、UPSは電力容量に余裕があり、充放電の応答が速いことから「一次調整力」への活用に適しているとしている。
今後3社は、UPSとEVリユースバッテリーの再活用モデルの確立を目指す。運用中のUPSへの調整力機能を実装するほか、蓄電所の併設などを通じてDC全体を調整力として活用する計画だ。さらに、NTTデータが展開する、GPUサーバー搭載のコンテナ型DCについても、将来的な活用を視野に入れている。
これまで需給調整は主に火力発電所など「供給側」の電源が担ってきた。一方、本件は電力を消費する「需要側」の設備を調整力として活用する取り組みである。
パワーエックスの伊藤正裕CEOも、エネハブのインタビューの中で、DCを需給調整リソースとして活用できるという考えを述べている。また、2026年4月には、需給調整市場で低圧リソースの参入も可能となったことで、今後、需要側リソースの活用は拡大するとみられる。