経産省とTOCOM、電力先物ヘッジ会計適用の対応に関する報告書を公表

2025年3月9日
電力先物のヘッジ会計適用を受ける重要性は
今後ますます高まると見られる

経済産業省と東京商品取引所の専門家会合(「電力先物におけるヘッジ会計適用に向けた検討会」)は先月、電力先物のヘッジ会計適用に関する対応策をまとめた報告書を公表した。

電力事業者がヘッジ会計の適用を受けるための具体的な手段について示しており、事業者はヘッジ対象(現物)とヘッジ手段(先物)を取引単位ごとに指定し、実際に対応していることを証明することが求められるという。

専門家会合は同報告書について、「電気事業者と監査法人等の間における議論の深化を意図して公表するものであるが・・・ヘッジ会計の適用を保証するものではない」とし、実際の会計処理に関しては、公認会計士や監査法人などの専門家に相談するよう促している。

これまで、日本の会計基準においては電力先物のヘッジ会計処理が不明確であり、その適用が難しいとの声が電気事業者の間で多く挙がっていた。特に、事業の実態が財務諸表に反映しにくく、電力先物を使ったリスク管理やヘッジの取り扱いに関する議論を行うすべきという意見もあった。そのことが電気事業者のリスク管理や電力システム全体の安定化にも影響を与える可能性があり、専門家会合の委員からも懸念の声が挙がっていた。

金融商品会計基準では、「ヘッジ対象が相場変動等による損失の可能性にさらされており、ヘッジ対象とヘッジ手段とのそれぞれに生じる損益が互いに相殺されるか又はヘッジ手段によりヘッジ対象のキャッシュ・フローが固定されその変動が回避される関係になければならない」と定めており、これに基づいてスポット市場と先物取引を1対1で対応させるヘッジ指定が考えられている。

しかし、スポット市場は30分単位で取引する一方、TOCOMの電力先物は1ヶ月単位の取引が中心であり、取引単位が異なる。このため、同報告書では概念的に電力先物(1ヶ月月物)をJEPXスポット市場の取引単位(30分/コマ)と同数に分割し、1ヶ月を1,440コマとして扱う方法を示した。

さらに、スポット取引の実績を電力ヘッジと関連して明確に示せることが重要であり、TOCOMとJEPXが共同で提供する「JJ-Link(現・先連携サービス)」の申告を行うことで、取引の妥当性を証明できるという。

国内の電力市場におけるボラティリティ(価格の変動性)の高まりに伴い、近年電力先物の取引量が増加している。このような状況を背景に、事業者が電力先物のヘッジ会計適用を受ける重要性が今後一層高まると考えられる。

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