
(画像:クラダシ)
クラダシは6月9日、小売電気事業者の中京電力の全発行済株式を取得し、同社を完全子会社化したと発表した。5月29日の取締役会で取得を決議し、同日に株式譲渡契約を締結していた。
中京電力の2024年度の電力需要実績は、高圧20,359MWh、低圧4,438MWhの合計24,797MWhである。同社の子会社化により、これまでの顧客基盤を即時に獲得し、系統用蓄電所事業と小売機能の最適化を目指す。
クラダシは、2024年12月に蓄電所事業参入の検討を開始した。2025年1月には事業開始を正式に決定し、8月には事業参入を本格化。同年11月には、辻・本郷スマートアセットと、5件以上の蓄電所の共同開発・運用を目的とした合弁事業の実施に基本合意した。さらに、2026年2月には、ジャパンパワーストレージが開発を予定する6件の蓄電所に対し、匿名組合出資を総額6億円で決議している。匿名組合出資とは特定の事業に対し資金を提供し、その事業から生じる利益の分配を受け取る契約形態である。責任は出資額の範囲に限定されるが、事業などへの関与はできない。
なお、クラダシにとって第1号案件となる「栃木小山蓄電所」は、2025年9月に卸電力市場、同年11月に需給調整市場での取引を開始している。
同社は、早期に蓄電所を自社保有することで、市場取引による収益化を目指す戦略である。それに加え、開発・運用の知見を蓄積することにより、蓄電所領域全般への事業展開を目指している。
今回の小売電気事業者の取得は、蓄電所の開発や運営といった従来の事業を拡大することにもつながるとみられる。同様の動きとして、海帆が小売電気事業者のどんぐり電力の株式を49%取得し、子会社のKRエナジーが行う系統用蓄電所事業のアグリゲーションを同社が担う。