
(画像:四国電力)
四国電力は4月23日、2024年度の長期脱炭素電源オークションにおいて、出力500MWの「西条発電所」1号機の落札辞退(市場退出)を表明した。アンモニア混焼への改修に向けて94.6MWを落札していたが、計画の実現が困難と判断したものである。
同社は、本案件の実現に不可欠なサプライチェーン構築が、当初の計画通りに進まない見通しとなったと説明している。同オークションで落札された電源の市場退出は原則として認められていない。しかし、水素やアンモニアのサプライチェーン支援制度などの適用が決まらない場合や支援金額が予想よりも低くなったことで経済性が悪化するなど、合理的な理由がある8つの例外的ケースにおいては認められている。
容量確保契約を解除する場合には、事業者に「電源の容量×契約単価×10%」の違約金が課されるが、今回のケースが不可抗力事由による免除対象に該当するかは、現時点で明らかになっていない。
西条発電所1号機は、2019年からリプレース工事を行い、発電効率の高い設備導入で出力を156MWから500MWに向上させ、2023年6月に運転を開始した。使用燃料は石炭に加え、木質バイオマスや下水汚泥由来燃料との混焼も行っている。
今回の落札辞退は、火力発電所の水素およびアンモニア転換における燃料調達の難しさを浮き彫りにするものといえる。また、こうしたリスクは火力発電所の改修に限らず、長期脱炭素電源オークションを活用した他の案件においても契約解除につながる可能性を示唆している。