
インフラ分野に特化した投資プラットフォームである米・Juniper Assetsは7月8日、九州エリアに立地する系統用蓄電所案件の融資契約を完了したと発表した。同社は国内2社と長期トーリング契約を締結しており、一ヵ所の蓄電所を分割して別々の相手とトーリング契約を結ぶ案件としては、公表ベースで国内初とみられる。
長期トーリング契約により安定した収益が見込めるため、金融機関から融資を受けやすい事業モデルとなっている。Juniper Assetsは、自己資金を出資して事業の中心的な役割を果たすエクイティ・スポンサーとして参画し、資金調達を終えた。融資は、三井住友信託銀行がシニアレンダーとして提供。
同社は本案件について、「エネルギーの柔軟性は脱炭素化に向けた重要な道筋であり、本取引は日本およびアジア太平洋地域において、業界をリードするエネルギー柔軟性プラットフォームを構築するという当社の戦略における、もう一つの重要なマイルストーンとなります」と述べた。また、本案件は日本の蓄電所案件への融資に対する関心の高さと、安定した収益基盤を持つ蓄電所事業が融資を受けやすいことを改めて裏づけるものであるとの認識を示した。
Juniper AssetsのパートナーであるRaymond Law氏は、エネハブの取材に対し、「本案件は日本国内における複数の投資案件の一つであり、現時点では設備の詳細や弊社のポートフォリオ、今後の開発計画について具体的なコメントを控えたい」と述べている。一方で、調整力に活用できるポートフォリオを国内で拡大していく方針は明らかにしている。
国内では、レノバ、Bison energy、Eku Energyなどの蓄電所開発事業者がトーリング契約の締結を発表しているが、一つの設備で複数の事業者とトーリング契約を結ぶケースは先進的な試みである。