FIT制度の初期認定案件、2040年以降に契約満了を迎える稼働中案件は9.5GW超

2026年7月7日

経済産業省の事業計画認定情報をもとにエネハブが分析したところ、2012年度〜2014年度に事業用太陽光発電として認定を取得した案件のうち、2040年以降までFIT買取期間が残る稼働中の案件は全国で9.5GWを超えることが分かった。

なお、今回の集計にはFITからFIPに移行した案件は含んでいない。

これらは、FIT制度初期に高い買取価格が設定された案件であり、他のFIT電源と同様に今後のFIP移行やコーポレートPPA活用の対象となり得る電源である。

2012年度に開始されたFIT制度では、制度開始から3年間、事業用太陽光に対して高いFIT価格が設定された。10kW以上の太陽光発電では、2012年度は40円/kWh、2013年度は36円/kWh、2014年度は32円/kWhの買取価格が適用された。

これらの初期認定案件のなかには、認定取得後すぐには運転を開始せず、開発や建設に時間を要した。その結果、現在も2040年以降まで買取期間が残る設備が多数存在している。

例えば、キナンが2023年8月に運転を開始した福岡県内の33MW「宗像ソーラー発電所」は、2043年7月までFIT買取期間が残っている。また、南国殖産の完全子会社の九州おひさま発電が保有する熊本県の29.7MW「人吉太陽光発電所」も、2042年1月まで残存期間がある。いずれも、2013年度にFIT価格36円/kWhで認定を取得している。

一方で、FIT制度初期に認定された案件でも、FIPへの移行を選択する動きもみられる。九州おひさま発電はFIT価格36円/kWhで認定を取得し、2038年まで残存期間があった鹿児島県内のFIT発電所2ヵ所について、2025年にFIPへ移行するとともに、蓄電池を併設した。今後、長期にわたりFIT買取期間が残る案件でも、FIPに移行する案件が増えていくとみられる。

電力供給エリア別に見ると、2040年以降までFIT買取期間が残る稼働中案件の約70%は東北・東京・九州の3エリアに集中している。内訳は、東北が2,813MW、東京が2,073MW、九州が1,863MWと計6,749MWに達する。特に東北エリアでは、2040年以降までFIT買取期間が残る稼働中案件が、特別高圧・高圧案件を合わせて約2,800MWと全国で最も多い。一方で、2025年度にFIPに移行した太陽光は1年間でわずか26MWにとどまっている。

東北・四国エリアでは、2026年度末までにFITをFIPよりも優先して出力制御する予定である。そのため、今後はFITからFIPへの移行を検討する事業者が増える可能性がある。

FIT制度初期に認定された案件は、買取期間満了まで安定した収益が見込める一方、出力制御の増加や市場環境の変化への対応が求められている。

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