
九州電力送配電は5月26日、再エネの出力制御量低減に向けた追加対策として、新たな運用を6月1日から開始すると発表した。太陽光発電の出力変動に応じ、よりきめ細かい出力制御の運用を開始する。
対象となるのは、特別高圧に連系するオンライン発電所。これまでは実需給の1〜2時間前程度の想定に基づいて出力制御指令を行っていたが、今後は実需給に近い10〜30分前のタイミングで指令できるようになる。
背景には、特別高圧に連系するオンライン電源と高圧電源との通信方式の違いがある。特別高圧では一般送配電事業者によるシステム改修が必要となる一方、制御スケジュールをPCS(パワーコンディショナー)へ直接配信できるシステム仕様のため、実需給の10〜30分前に指令することが可能だ。
一方、高圧電源ではPCSの制御スケジュールを取得するまでに最大1時間程度を要するため、指令時点で1時間以上先のコマを対象とする必要がある。特別高圧では技術的により柔軟かつ精緻な制御が可能であることから、今回の運用変更にいたった。
九州エリアでは、2025年度時点で電力需要に占める太陽光と風力発電の割合が18%に達している。過去3年間で両電源の導入量は約5%増加し、設備容量は13.4GWとなった。一方、年間電力需要は2023〜2025年度にかけて約85〜87TWhで推移しており、ほぼ横ばいである。
こうした状況を受け、2026年度の同エリアにおける出力制御量は1,220GWh、出力制御率は6.9%となる見通しだ。2023年度の1,290GWh、8.3%と比べると出力制御量・制御率ともにその水準を抑えられている。
九州電力は今回の取り組みに加え、出力制御量低減に向けた各種施策を全国に先駆けて進めてきた。経済産業省の補助金採択を受け、九州と中国エリアを結ぶ関門連系線を活用し、他エリアへの再エネ融通拡大につながる「転送遮断システム」を構築。2026年4月1日から運用を開始している。
これらの取り組みにより、年間の出力制御量は数%低減できるとみられる。