
(画像:三井物産リアルティ)
三井物産リアルティ・マネジメント(以下、三井物産リアルティ)、e-dash、ウエストエネルギーソリューション、JERA Crossの4社は9月17日、三井物産リアルティが投資運用する施設の遊休屋根を活用した、再エネ導入および電力供給のスキームに関する基本合意書を締結したと発表した。2028年3月までに、合計10MW以上の太陽光発電設備の開発を目指す。
本スキームは、不動産所有者が太陽光発電設備に初期投資し、発電事業者に貸し出す「設備賃貸モデル」を採用する。設備の貸与を受けるのは発電事業者となるウエストエネルギーソリューションで、初期投資の負担なく設備を運用できる。発電した電力は、オンサイトPPAに基づき設置先の施設で自家消費される。余剰分は、オフサイトPPAを通じて、三井物産リアルティが運用するオフィスや商業施設、ホテルに供給される。
ウエストホールディングスの完全子会社であるウエストエネルギーソリューションは、発電事業者としてEPC(設計・調達・建設)およびO&M(運用・保守)を担う。三井物産リアルティは、プロジェクトオーナーとして対象物件や供給先に関する情報を提供し、テナントとの調整を行う。
電力の供給と調達については、JERA Crossが小売電気事業者およびアグリゲーターとして、余剰再エネの引き取りと、オフサイトPPAによる需要施設への供給を担う。再エネと不足電力を組み合わせた需給管理も手掛ける。e-dashは、プロジェクト全体の進行を統括する。PPAで賄えない不足電力については、複数事業者による競争入札を実施し、調達条件を最適化する。
4社が本スキームの背景に挙げるのは、「再エネ需給のアンバランス」である。オフィスや商業施設は電力需要が大きい一方、屋根や敷地の制約から施設単独での再エネ導入には限界がある。これに対し、物流施設は広大な屋根を持ちながら、施設内の電力消費量は少ない。
屋根設置太陽光を活用した再エネ供給のスキーム構築は、不動産やエネルギー関連の事業者の間でも進んでいる。野村不動産投資顧問と三菱HCキャピタルエナジーは、2030年3月までに物流施設の屋根を含む太陽光発電100MWの開発と取得を目標に掲げ、野村不動産グループ向けに再エネ電力を供給する私募ファンドの運用を開始した。日本ベネックスやプロロジスも、屋根設置案件が優遇される「初期投資支援スキーム」のFIPを活用し、太陽光発電設備の設置を進めている。