
(画像:中部電力)
中部電力は9月14日、静岡県御前崎市の「浜岡原子力発電所」3・4号機について、新規制基準に基づく設置変更許可申請を取り下げると発表した。
同社は、調査委員会の報告書を踏まえ、申請資料や審査対応の信頼性に疑義が生じたとして、同日の取締役会で取り下げを決定した。準備が整い次第、原子力規制委員会に正式に届け出る方針で、時期は明示していない。
基準地震動の策定をめぐる不適切事案は2025年12月に発覚した。中部電力は2026年1月、外部の弁護士のみで構成する調査委員会を設置し、9月11日に調査報告書を受領している。
取り下げる申請は、4号機が2014年2月、3号機が2015年6月に提出したもの。同社は再稼働に必要な審査の再申請に向けて取り組む方針で、浜岡原発の重要性や必要性に変わりはないとしている。
3号機は電気出力1,100MWで1987年に、4号機は1,137MWで1993年に運転を開始した。福島第一原発事故前で最後の通年運転となった2010年度の発電量は、3号機が6.42TWh、4号機が6.8TWh。合計で中部エリアの現在の年間需要の約10%に相当する。電気出力1,380MWの5号機は2005年に運転を開始したが、設置変更許可は申請していない。1・2号機は2009年に運転を終了している。
福島第一原発事故後、国内では15基が再稼働し、その発電量は全国の電力需要の約10%を賄っている。第7次エネルギー基本計画が掲げる2040年度に原子力が電力供給の約20%を担うという目標を達成するには、停止中の原子炉の再稼働が必要となる。