
経済産業省は、8月6日に開催した専門家会合(次世代電力系統ワーキンググループ)において、一般送配電事業者による2035年度の再エネ出力制御率の長期見通しを公表した。
優先給電ルールの見直し後を想定した試算では、FIT太陽光の出力制御率が北海道エリアで53%に達する。
現行の優先給電ルールに基づく試算では、太陽光の出力制御率は北海道が43%と最も高く、北陸28%、東北27%、中国25%、九州24%と続く。一方、関西は8%、東京は3%にとどまる。
経産省は優先給電ルールを見直し、FIT電源をFIP電源に先行して制御する方針だ。見直しは2026年度末から2027年度にかけてエリアごとに順次実施される見通しで、東北と四国では2026年度末から先行して導入される。
今回の試算では、FIP電源の比率が25%になると仮定したうえで、見直し後のFIT・FIP別の出力制御率も示された。
FIT太陽光の出力制御率は、北海道で53%、東北、中国、九州で31%、北陸で29%となり、いずれも現行ルールの水準を上回る。一方、FIP太陽光は北海道3%、東北9%、北陸5%など、全エリアでFITを下回る水準となる。
FITとFIPで水準が分かれるのは、制御の順番と蓄電池の前提による。試算ではまず、FIPに移行しないFIT電源を対象に制御量を算定する。そのFIT制御量を固定し、FIPへの移行量に応じた蓄電池を導入した場合の制御量を改めて算定している。蓄電池が発電した電力を別の時間帯に供給する「供給シフト」を担うため、FIP電源の制御率は低く算定される。
エネハブが経産省の統計をもとに分析したところ、2025年度には運転中の太陽光約379MWがFITからFIPへ移行しており、FIPへの移行はすでに広がりつつある。
今回の長期見通しは、出力制御に上限のない「無制限無補償ルール」が適用される電源を対象としている。同ルールは2021年度以降に接続契約を結んだ太陽光および風力発電設備などが対象で、年間の制御日数や時間数に上限がなく、制御された分の売電収入も補償されない。年間30日までを無補償とする「30日ルール」や、年間360時間までを無補償とする「360時間ルール」のように上限を設けて超過分を補償する従来ルールとは異なり、上限がないため長期的には制御率が高く出やすい。