日本卸電力取引所(JEPX)によると、10月10日~16日のスポット市場におけるシステムプライスの週間平均は20.91円/kWhとなり、前週比2.79円高となった。週間取引量は約6.6TWhで、前週から横ばいだった。
日平均システムプライスは、12日(月・祝)を除く6日で前週同曜日を上回った。祝日の12日は前週を下回ったものの、平日に入った13日(火)は24.66円/kWhと週内で最も高く、14日(水)も24.24円/kWhと高い水準が続いた。

週間最高値は、10日(土)20:00~21:00に北海道エリアで記録した100.00円/kWhで、2コマ連続となった。同時間帯の他エリアは20~24円台にとどまり、北海道エリアとの値差は75円を超えた。
週間最安値は0.01円/kWhで、東京を除く8エリアで記録した。11日(日)は、東北エリアで9:00~14:30に11コマ連続、中部・北陸・関西・中国・四国・九州の6エリアで10:00~13:00に6コマ連続で同価格となった。14日と15日(木)も、太陽光発電の出力が大きい昼間に中国・四国・九州エリアなどで0.01円/kWhとなる時間帯があった。16日(金)は、中国・九州エリアが8~12円台で推移するなか、四国エリアだけが複数の時間帯で0.01円/kWhまで下落した。
北海道エリアは10日、16:00~23:00に14コマ連続で50.00円/kWh以上となり、このうち4コマは80円台だった。未明の2:30~6:00にも7コマにわたって30~50円台をつけ、26~27円台だった東北・東京エリアを上回った。北海道と本州を結ぶ連系線の送電制約により市場分断が起き、北海道でエリア内の需給だけで価格を形成する時間帯が、未明から断続的に生じていた。
需要面では、端境期の休日夜間で、最低気温も10度前後だったことから、暖房需要の急増が高騰を招いたとは考えにくい。供給面では、LNG火力で出力569.4MW「石狩湾新港発電所1号機」が、タービン設備の点検に伴い11日0:00から計画停止する予定だった。火力発電所は停止に向けて数時間前から出力を段階的に下げる場合があり、太陽光発電の出力がなくなる夜間に供給余力が縮小し、高値の入札が約定価格に反映された可能性がある。ただし、市場分断は停止前の出力低下より前の未明から起きており、計画停止だけで当日の値動きを説明することは難しい。
実際、同発電所の停止後も北海道エリアの価格は高止まりしなかった。石炭火力で出力350MW「苫東厚真発電所1号機」も設備点検のため停止した14日と、翌15日の夕方以降は、北海道エリアが再び単独で価格を形成したものの、10~20円台にとどまった。同じ時間帯に東北・東京エリアは39~45円台まで上昇しており、北海道エリアの方が安値となった。設備の停止状況だけで同エリアの価格水準が決まるわけではなく、市場分断時のエリア内の需給と事業者の入札動向が価格を大きく左右しているとみられる。
10日の北海道エリアを除くと、13日以降の平日は夕方に東日本で価格が上がり、日ごとの最高値は39~47円台となった。最も高かったのは13日16:00~16:30の47.02円/kWhで、北海道・東北・東京の3エリアが同値をつけた。14日は東北・東京エリアで45.00円/kWhまで上昇した。北陸以西の夕方の上昇は東日本に比べて小さく、東西で値差が生じる時間帯が目立った。

10月17日~23日は、19日(月)に東北・関東地方を除く広い範囲で雨が予想されている。その後も各地で晴れと雨が入り交じる見通しで、天候による太陽光発電の出力や需要の変動が価格を左右しそうだ。
北海道エリアでは、石狩湾新港発電所1号機が20日まで停止し、21日は出力を下げて運転する予定だ。また、出力350MW石炭火力「苫東厚真発電所1号機」が設備点検のため14日から停止していて、復旧の見通しは示されていない。14日と15日のように、2基の停止が直ちに高値につながるとは限らない。ただし市場分断が起きた場合、太陽光発電の出力が落ちる夕方以降は、北海道エリアの価格が本州から大きく離れる可能性がある。