
東北電力は9月11日、経済産業省の「GX戦略地域制度」において秋田県秋田市が「データセンター集積型」の第1弾に認定されたことを受け、市内の秋田火力発電所跡地をデータセンター(DC)の候補地として活用する計画の検討を進めると発表した。
同社は跡地の所有者として、秋田県の公募申請に共同申請者として関わっていた。跡地は1GW級のDCの集積が見込まれる有望な候補地と位置づけており、立地に関心を示す事業者との協議を進めている。今後は制度による支援も活用しながら、自治体や関係者と連携して誘致に取り組むとしている。
東北電力は2025年10月に、NTT東日本および日本政策投資銀行と、東北および新潟地域へのDC誘致の推進に向けた業務協力協定を締結しているため、この一環として秋田火力発電所跡地を活用する可能性もある。
秋田火力発電所は1970年の1号機の運転開始から約54年間にわたり運転を続けてきた。同社は2024年7月に4号機を廃止し、全発電設備の廃止が完了した。秋田魁新報によると、跡地の面積は約50.9haで、ボイラーや煙突などの解体工事は2027年度末に完了する予定である。
GX戦略地域制度は2025年8月に創設された。経済産業省によると、DC集積型は今後10年程度でGW級のDC集積地を形成する取り組みを対象とする。経済産業省は、認定地域に対して設備投資の後押し、電力系統の先行整備、規制および制度改革などを通じて産業クラスターの形成を支援するとしている。なお、認定には計画の着実な推進および地域共生の確保が留保条件として付されている。
秋田市はIT企業2社と2025年10月に、AI関連産業の集積地を目指すことを目的に連携協定を締結している。締結したのはアラブ首長国連邦(UAE)アブダビと米国に拠点を置くBitgrit、および秋田市に本社を置くエスツーの2社。2026年8月には、この構想にUAEなどが投資する方針を示していることが報じられた。同構想の建設予定地は市が造成する飯島地区の工業団地で、秋田火力発電所跡地とは別の用地である。
脱炭素電源の活用を見込むDCの立地をめぐり、大手電力会社が関与する事例は増えている。JERAは2026年2月、アマゾン ウェブ サービスとDC向けの電力供給やデジタル分野での連携強化に向けた協議を進めることで合意した。Jパワーは2025年7月に日立製作所と重要社会インフラ向けのAI用DCの共同開発に関する覚書を締結し、2026年8月には北海道上ノ国町で自社によるDC事業への参入を決め、2027年夏のサービス開始を予定している。