北海道広尾町、再エネ発電設備設置の規制条例を8月1日に施行へ、メガソーラーの廃棄費用預入を義務化

2026年6月26日
既設のメガソーラー事業も届出により対象に
(画像:北海道広尾町)

北海道広尾町は、再エネ発電設備設置に関する条例を、2026年8月1日に施行する。これに伴い、「広尾町の自然環境や景観資源と再生可能エネルギー発電施設との調和に関する条例」および施行規則を公表した。

広尾町は、町の面積の約8割を森林が占める。再エネ発電設備と地域との調和を図り、自然環境と景観資源を保全することを目的として、条例を制定した。

対象となるのは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの再エネ発電設備。このうち対象外となるのは、建築物の屋根設置型太陽光や自家消費を目的とした建築物に併設する発電設備などである。2026年8月1日以降に着工する事業が同条例の適用対象となる。

同条例では、「禁止区域」「抑制区域」を設定している。抑制区域で発電出力の合計が10kW以上となる事業と、禁止区域と抑制区域外における、事業区域面積1,000m2以上の事業が規制の対象となる。

事業者は、町長と事前協議を行い、近隣住民への説明会を開催した上で事業計画を届け出る。町長は、届出内容に防災上支障がある、または自然環境や生活環境への影響を及ぼすおそれがあると判断した場合、事業者へ事業の中止や変更を申し出る。申し出を受けた事業者は、状況確認と適切な措置を講じることが義務づけられている。なお、事前協議や説明会の開催、事業計画の届出は8月1日以前にも行うことができる。

また、同条例では、出力1MW以上のメガソーラー事業者に対し、廃棄費用にかかる現金を保証金として金融機関へ預け入れることを義務づけている。さらに、保証金に係る預金債権について、町との質権設定契約の締結を義務づける。これにより、事業者は町の承諾を得なければ預入金を引き出せない。

保証金の額は、「発電設備の発電出力×調達価格等算定委員会の意見を基に、国が定めた認定年度における廃棄等費用の想定額」、「実施しようとする事業にかかる資本費の100分の5に相当する額」、「第三者機関等による解体等費用の見積額」のいずれか高い額。

なお、10kW以上のFIT/FIP認定を受ける太陽光発電事業は「廃棄等費用積立制度」による外部積立が義務づけられている。本条例では、保証金が国の解体等積立金を差し引いた額を不足保証金として、預け入れることを求める。さらに、既設のメガソーラー事業者が発電設備の更新などにより変更の届出を行った場合も、これらの規定を適用するとしている。

近年、太陽光発電設備の廃棄等費用確保のための保証金制度を導入する自治体が増えている。エネハブの調査によると、埼玉県の秩父市と皆野町、兵庫県神戸市の条例で同様の規定がある。また、北海道白老町は、2026年5月の改正で保証金の規定を追加した。さらに、新たな再エネ条例の制定に伴い、廃棄等費用の明文規定を盛り込む自治体もある。北海道釧路市は2026年6月23日に条例案を可決、静岡県静岡市も2026年6月の条例案提出を目指している。今後も同様の動きが広がるとみられる。

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