
(画像:スターシーズ)
スターシーズの系統用蓄電所事業が、2026年2月期に最も収益性の高い事業となった。同社が6月1日に公表した有価証券報告書によると、同事業の売上高は約22億3,000万円、利益は約4億7,000万円だった。今後の成長を見込み、当期から独立した報告セグメントとして開示している。
同事業はスターシーズの主要な収益源となり、2019年2月期以来となる通期黒字に復帰した。一方、主力事業であるアパレル事業の売上高は約52億4,000万円だったものの約1億2,000万円の損失を計上した。
蓄電所事業の売上高は主に案件売却によるものである。当初は長期保有を想定して取得した案件の一部について、買い手側の引き合いを受けて販売用へと方針を変更した。売約済みの案件は3〜4件と推定される。対象は、2025年11月完成の和歌山県の2MW/8MWh「紀の川上田井蓄電所」と「紀の川桃山町蓄電所」、2026年1月に用地、設備、電力接続権を取得した大分県の1.9MW「杵築市蓄電所」とみられる。1件当たりの取引価格は約5億6,000万円~7億4,000万円と推定される。
同社は現時点では同事業に関する具体的な目標設定をしていない。しかし、今後は開発案件数や開発容量を指標とした目標を策定する方針を示している。一方、事業リスクとしては、系統接続までの手続きの長期化や想定を上回る連系費用の発生を挙げた。また、世界的な蓄電所の需要増加に伴う機器調達コストの上昇や、政策や制度変更による収益への影響もリスク要因として認識している。
スターシーズ、2025年3月に病院・介護施設を展開するスミレ会グループとの業務提携を通じて蓄電所事業へ参入した。さらに同年7月には、愛知県豊橋市で日本エネルギー総合システムから、約1.9MW/8MWhの蓄電所を取得し、事業を本格化させている。
同社は案件売却を軸とするモデルへと移行しており、その背景には蓄電所市場の拡大に伴う競争環境の変化がある。既存事業者や新規参入事業者の増加により、用地確保や系統接続までの手続きの長期化といった課題が顕在化しているためである。