
(画像:西日本プラント工業)
イーレックスは3月31日、他社保有の太陽光発電所に自社保有の蓄電池を併設する投資を決定したと発表した。福岡県宗像市の出力2.2MWdc/1.9MWacの太陽光発電所に、1.9MW/8.1MWhの蓄電池を併設する。運転開始は2027年上期の予定。
同発電所は、九電グループの西日本プラント工業の完全子会社である宗像アスティ太陽光発電が保有している。FITからFIPに移行後、イーレックスのSPC(特別目的会社)がTMEIC製の蓄電池を開発および保有する。
また、蓄電池のEPC(設計・調達・建設)とO&M(運用・保守)は西日本プラント工業が担当する。太陽光発電所で発電した電力をFIT価格と同等の水準で買い取り、イーレックスがアグリゲーションを行う。同社は、蓄電池の充放電による裁定取引(アービトラージ)や、周波数調整力としての活用、再エネ電力の地産地消などを通じて、蓄電池の価値向上を図る方針としている。なお、契約条件や系統接続の詳細については明らかにしていない。
経済産業省の事業計画認定情報によると、宗像アスティ太陽光発電の発電所は、2013年度にFIT価格40円/kWhで認定を取得している。
本案件は、発電所と蓄電池を同一企業が保有する従来の併設モデルとは異なり、設備ごとに所有者が異なる点が特徴的である。発電事業者は新たな投資負担を負わないメリットに加え、出力制御による機会損失を減らすことができる。FITからFIPへ移行することで、FIT電源が優先的に出力制御される制度変更の影響も抑えられる。なお、出力制御順の変更については、2026年度下期に東北および四国エリアで先行的に開始される。
一方、蓄電池の保有者は発電所を保有するリスクを負うことなく、太陽光発電由来の電力を他の時間帯に供給するタイムシフトを行うことで、再エネ電力の価値を最大化できる。