福岡高裁、玄海原発3・4号機の運転差し止め訴訟などで住民側控訴を棄却

2026年1月28日
玄海原発国のエネルギー政策にも影響を与える

九州電力は1月20日、福岡高等裁判所が佐賀県の「玄海原子力発電所3・4号機」(総電気出力:2,360MW)に関する「運転差止訴訟控訴」および「原子炉設置変更許可取消訴訟控訴」を棄却したと発表した。

同3・4号機を巡っては、佐賀県の住民らが国や九州電力を相手取り、運転の差し止め、および原子炉設置変更許可の取り消しを求めて訴訟を起こしていたが、佐賀地方裁判所は請求を棄却した。しかし、原告の住民らは当該判決を不服として福岡高裁に控訴していた。

発表によると、運転差止訴訟控訴の棄却理由は、「玄海原子力発電所において重大な事故が起こる具体的危険性はない」こと、原子炉設置変更許可取消訴訟控訴については「新規制基準適合性審査に不合理な点はなく、処分は適法であり安全性が確保されている」ことが挙げられている。

九州電力の玄海原発は、加圧水型軽水炉(PWR)で1〜4号機から構成されているが、1号機および2号機は、安全対策に必要な多額の費用負担などの理由により新規制基準への適合は難しいと判断。それぞれ2015年および2019年に運転を終了し、現在、廃止措置を進めている。

政府が2025年2月に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」によると、2040年度のエネルギー需給において、電源構成の20%程度は原発で供給する見通しとしている。そのため、九州エリアで最大級である同原発の運転継続の可否は、国の見通しにも大きな影響を与える要因の1つになる。

原発の運転差し止めに関する訴訟は他のエリアでも行われており、2025年3月には愛媛県の住民らが四国電力を相手取り、伊方発電所3号機運転の差し止めを求めて訴訟を起こしていたが、松山地裁が下した判決は棄却だった。2024年3月の大分県および2025年3月の広島県で起こされた同様の訴訟でも原告の住民らが敗訴している。

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