
(画像:御殿場市)
静岡県御殿場市は、再エネ発電設備の設置に関する条例を、2026年10月1日に施行する。これに伴い、「御殿場市自然環境等と再生可能エネルギー発電事業との調和に関する条例」および施行規則を公布した。
同市では、系統用蓄電所の騒音に関する市民からの問い合わせが増加しているという。また、市内には絶滅危惧種に指定されている鳥類の生息地などもある。こうした背景を受け、条例では地域住民の安全や環境保全に配慮し、事業を円滑に進めるための規定を設けている。
対象となる発電設備は、発電出力の合計が10kW以上となる太陽光発電所、風力発電所、バイオマス発電所や、系統用蓄電所の新設および増設事業である。同一事業者が同時期または近接時期に行う事業は一体とみなし、出力や面積を合算する。なお、建築物の屋根や屋上、壁面への設置は対象外となる。
事業者は、事前協議と近隣関係者への説明会を開催した上で、市長への届出を行う。出力50kW以上、または抑制区域を含む事業は、市長の同意を得た上での事業開始となる。同意の基準としては、抑制区域を含む事業および一定規模以上の太陽光発電所と風力発電所は原則不同意としている。太陽光発電所については、太陽電池モジュールの総面積が12,000m2以上または発電出力が1MW以上、風力発電所は発電設備の高さが20m以上となる場合である。
出力50kW未満で抑制区域以外での事業は、届出により同意を得たものとみなされる。ただし、事業区域に隣接する土地では、同意のみなしの対象外となるケースがある。具体的には、他の事業者が事業を実施中または手続き開始済みの場合、その事業を合算した面積と出力が同意の基準以上となる場合には、市長の同意取得が必要だ。同一事業者だけでなく、他の事業者との累積的な環境影響を考慮した規定は、エネハブの調査の中ではこれまでに確認されていない。
系統用蓄電所を対象に含む再エネ発電設備の設置に関する条例を施行している自治体は、エネハブの調査によると、2026年5月時点で6自治体ある。北海道北斗市は2024年12月、登別市は2025年6月にそれぞれ新たに条例を施行している。また、岩手県雫石町、群馬県桐生市、兵庫県神戸市、岡山県真庭市は、蓄電所を対象とする条例の改正を施行済みだ。また、福島県福島市は2026年5月に系統用蓄電所に関するガイドラインを制定。
茨城県牛久市は「牛久市太陽光発電の適正な設置及び管理に関する条例」を2026年6月1日に改正施行することで系統用蓄電所も対象に加えるなど、今後も各自治体におけるルール作りが進むとみられる。