
(画像:ENEOS)
大和ハウス工業の完全子会社である大和エネルギーは9月8日、系統用蓄電所のEPC(設計・調達・建設)事業に本格参入すると発表した。初号案件として、ENEOS Powerが静岡県静岡市のENEOS清水油槽所内の遊休地で計画する50MW/109MWh特別高圧蓄電所のEPC契約を締結した。2027年1月に着工し、2028年度内の運転開始を予定している。
今回の契約で大和エネルギーは、特別高圧変電設備、蓄電池、PCS(パワーコンディショナー)などの調達から、設計、施工までを一貫して担う。
本案件は、経済産業省の2025年度予算「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に採択されており、約25億4,600万円の交付を受ける見込みだ。
大和エネルギーはEPC事業者として、2026年8月1日時点で太陽光発電所329ヵ所・計344MWを建設してきた。親会社の大和ハウス工業とともに、東京ガスやSonnedixなど第三者が保有する発電所のEPCも手掛けている。
蓄電所では、大和ハウス工業が2025年に自社初となる1.9MW/9.8MWh「DREAM Storage Battery福岡鞍手系統用蓄電所」の建設を開始した。EPCは自社で担い、2026年7月の運転開始を予定していたが、運転を開始したかどうかは公表されていない。2026年6月には東京電力ホールディングスと提携し、2035年までに全国で計1GW/4GWh規模の蓄電所開発を目指す。
ENEOSグループにとって、西日本エリアでの系統用蓄電所の開発は初めてとなる。エネハブの系統用蓄電所データベースによると、ENEOS Powerは本件のほかに、千葉県市原市における大阪国際石油精製の千葉製油所内で100MW/202MWh蓄電所の設置工事を進めている。神奈川県横浜市のENEOS根岸製油所内の5MW/10MWh「根岸蓄電池」、北海道の室蘭事業所内の50MW/88MWh「室蘭蓄電所」と合わせ、保有・開発中の設備は4ヵ所・計205MW/409MWhとなる。
一方、蓄電所の運用を担うアグリゲーターは公表されていない。ENEOS Powerは根岸蓄電池と室蘭蓄電所の運用でAIによる最適化技術の知見を蓄積しており、2025年7月からは顧客が保有する蓄電池を運用するサービスも展開しているため、自社で担う可能性がある。
系統用蓄電所のEPC事業を強化する企業は増えている。グリーンエナジー&カンパニーやNTTアノードエナジー、エクシオグループなども体制の整備を進めている。