
(画像:NEXTES)
リチウムイオン電池などの開発を手掛けるNEXTES(旧NExT-e Solutions)は7月17日、静岡県伊豆の国市で開発を進めてきた2MW/10MWh系統用蓄電所の運転を、2026年6月から段階的に開始したと発表した。
同蓄電所は現在、試運転を終えて運転頻度を高めている段階にある。NEXTESは、需給調整市場への参画を見据えた運用体制の構築を進めている。
同蓄電所は、東京都の「ゼロエミッション東京」の実現に向けた技術開発支援事業に採択された案件である。同支援事業は、出力1MW以上の設備を対象としており、NEXTESの採択時の事業テーマは「中古車載電池をリユースした大規模蓄電システムの開発」だった。同社は、東京電力パワーグリッドおよび関西電力と連携して、蓄電システムの事業化を進めてきており、実証の成果を踏まえ、実際の電力系統における運用へ移行した。
同蓄電所では、EVの使用済み電池をリユースしている。使用済み電池は性能や状態にばらつきがあるため、安定した運用には高度な制御技術と管理が求められる。一方で、資源の有効利用や環境負荷の低減に加え、将来的な導入コスト低減にもつながる。NEXTESは、電池の特性を踏まえた設計と制御により、安全性を確保した運用体制を構築しているとしている。
NEXTESは2008年に設立し、蓄電システムの開発から製造、蓄電所の保有と運用までを一体的に手掛けている。エネハブの系統用蓄電所データベースによると、同社は栃木県で使用済み電池を活用した1MW/4MWh「那須塩原蓄電所」を保有しているほか、他社が保有する蓄電所の運用も複数受託している。
同社は、蓄電池事業の拡大に向けた体制強化も進めている。2025年には、エンバイオ・ホールディングスとの共同出資により、蓄電池事業に特化した合弁会社「エンバイオ・ネクテス」を設立した。両社のノウハウを活かし、系統用蓄電所や再エネ併設型蓄電池の開発、EPC(設計・調達・建設)、O&M(運用・保守)サービスを展開する。
2026年4月には、蓄電池セルの戦略的調達契約をAESCと締結した。AESCは、中国・Envision Group傘下でリチウムイオン電池の開発を手掛ける企業である。NEXTESは2026年から3年間で合計1,500MWhの蓄電用セルを調達し、自社および中国の完全子会社が手掛ける蓄電システムに使用する。これにより、安定した供給体制の構築を進める。