
NextDriveは9月16日、自然電力グループの自然オペレーションズと、系統用蓄電所事業の共同推進に向けた戦略的提携の基本合意書を締結したと発表した。今後3年間で計100MW規模の案件の権利を取得し、運用体制を構築する計画だ。
本提携では、電力供給エリアのうち東北、東京、中部、関西、中国、九州の6エリアを対象に、権利取得を重点的に進める。資金面では、NextDriveが持つ投資家ネットワークを背景に、資金を早期に投入する新たなビジネスモデルを採用する。案件ごとにSPC(特別目的会社)を組成する方針だ。
NextDriveが案件の権利取得から開発、建設、資金調達、さらに運転開始後のアグリゲーターまでを担う。一方、自然オペレーションズは、開発段階における事業性評価をはじめとした権利取得の実務支援、稼働後のアセットマネジメントおよびO&M(運用・保守)を担当する。
本提携の背景には、電力と調整力を最適化する同時市場への移行がある。経済産業省は、同市場の導入を2030年代前半に目指している。NextDriveによると、同時市場のもとで蓄電所の収益機会を最大化するには、高度な入札および制御のアルゴリズムが不可欠となる。両社は、NextDriveの市場入札アルゴリズムと自然オペレーションズの運用基盤を組み合わせ、投資家による蓄電所市場への参入を後押しするとしている。
NextDriveは、2013年に台湾で創業したIT企業である。2016年に日本のエネルギー市場へ参入し、2017年に日本法人を設立した。系統用蓄電所の市場運用をはじめ、産業用施設や家庭の電力の自動制御などのエネルギー管理サービスを展開している。国内では、開発中を含め30MW規模の蓄電所案件を進めている。
自然オペレーションズは、太陽光や風力などの再エネ発電所と蓄電所を対象に、アセットマネジメントおよびO&Mを手掛ける。国内の再エネ発電所では、約680MWのアセットマネジメントと累計1GW超のO&Mの実績を持つ。2025年には、のぞみエナジーから300MWdc超の太陽光発電所のアセットマネジメント業務を受託した。また、自然電力が米・Microsoftと結んだ累計100MWの太陽光PPAでも、対象となる発電所の運営および維持管理を担当している。
国内では、蓄電所の開発や出資を担う事業者が、アセットマネジメントやO&Mを担う事業者と提携し、開発から市場運用までを一体で進める動きが広がっている。2024年には、三菱HCキャピタルエナジーとRSアセットアドバイザーズが、フルマーチャント(完全市場取引)型の系統用蓄電所事業で提携した。この提携では、三菱HCキャピタルエナジーが出資とアグリゲーターの選定を担い、RSアセットアドバイザーズが案件の交渉とアセットマネジメントを担当している。