
三菱総合研究所(以下、MRI)と日立製作所は8月27日、特別高圧の系統用蓄電所事業者に向けて電力トレーディングの高度化を支援するサービスを提供するため、協力体制の構築に関する覚書を8月25日付で締結したと発表した。提供開始は2027年度以降を予定している。
MRIの分散型エネルギーリソース運用支援サービス「MERSOL」と、日立製作所が開発中の電力トレーディングシステムを組み合わせ、電力トレーディングサービスとして両社がそれぞれ提供する体制を構築する。
MERSOLは、需給調整市場を含む市場価格の予測を踏まえて入札計画を算出する。日立製作所の電力トレーディングシステムは市場への入札業務を支援するほか、約定結果に基づき、電力広域的運営推進機関へ提出する系統利用計画を自動で作成する。
両社によると、本サービスの価値を主に二つある。一つ目は収益性の向上である。市場価格の予測に基づく入札計画で収益機会の拡大を図るとともに、外部への委託コストを削減し、運用ノウハウの自社蓄積と意思決定の迅速化につなげる。二つ目は事業拡張性の向上である。共通化されたシステム構成により案件ごとに仕組みを作る必要がなくなり、少人数でも複数の蓄電所を運用および管理できる体制を実現する。
MRIは2022年にMERSOLの提供を開始し、2024年には蓄電池の最適運用計画を策定するサービスを始めた。2026年2月には、九電みらいエナジーが運用する系統用蓄電所向けに同サービスの提供を開始している。
一方、日立製作所は同月、肥後銀行の完全子会社であるKSエナジーと協業すると発表した。熊本県で計画する50MW/112.8MWh「(仮称)KSE熊本蓄電所」の開発と、電力トレーディング事業への参入検討が対象となる。
特別高圧の系統用蓄電所が増えるなか、運用を外部に委託できるアグリゲーションサービスも広がっている。JERA Crossは2026年2月、蓄電池運用代行サービスを開始した。東京センチュリーとTensor Energyは同年8月に業務提携し、需給運用システムの共同開発などでアグリゲーション事業を加速させるとしている。イーレックスは同年9月1日、他社保有の特別高圧および高圧案件を対象としたアグリゲーションサービスを開始した。