
(画像:北海道電力)
北海道電力は、純揚水式の「京極発電所」3号機向けに、出力200MWの可変速揚水発電システムを発注した。ポンプ水車および水車発電設備1セットで、設備を納入する東芝が7月21日に発表した。3号機の運転開始は2031年度を予定している。
北海道電力は、2025年度の長期脱炭素電源オークションで3号機の新設案件を落札しており、運転開始時期を当初計画の2035年度以降から前倒しした。
同発電所は、下部調整池から汲み上げた水のみで発電する純揚水式で、現在は出力200MWの1・2号機が運転している。3号機の完成後は、総出力600MWの3基体制となる。
北海道では、半導体工場やデータセンターの立地が進み、電力需要の増加が見込まれている。加えて、太陽光や風力の導入拡大により、需給バランスを維持するための調整力へのニーズが高まっている。揚水発電は、需要の少ない時間帯に水を汲み上げ、需要の多い時間帯に落として発電することで、こうした調整力を担う。
今回発注した可変速揚水発電システムは、ポンプ水車と発電電動機の回転速度を可変制御する。これにより、揚水運転時の入力電力を調整できるほか、発電時の出力調整範囲も広く、需給バランスに応じた柔軟な運転が可能となる。
東芝は、2014年と2015年に運転を開始した京極発電所1・2号機にも同システムを納入している。
京極発電所は、北海道電力が保有する唯一の揚水発電所である。このほか同社は、一般水力発電所を49ヵ所・1,239MW保有している。国内では、九州電力が既存の水力発電所を揚水発電へ転換することを検討するなど、調整力の確保に向けて揚水発電を活用する取り組みが進められている。