エスクリプトエナジー、第11回新株予約権で約50億円調達へ、一部を系統用蓄電池事業に充当

2026年10月2日
系統用蓄電所2案件のEPCはエネフォワードが担う

エスクリプトエナジー(旧エス・サイエンス)は9月25日、第三者割当による第11回新株予約権の発行を取締役会で決議したと発表した。すべて行使された場合の差引手取概算額は約48億970万円で、このうち6億6,000万円を系統用蓄電所1件の新規取得や開発に充てる計画だ。

行使期間は2026年10月14日~2028年10月13日の約2年間。当初行使価額は、発行決議日の前取引日の終値の90%に当たる63円で、すべてが当初行使価額で行使された場合の調達総額は約50億7,280万円となる。2026年10月19日以降、行使価額は、行使請求日の属する週の前週の最終取引日の終値の90%に修正される。下限行使価額は35円で、この水準ですべてが行使された場合、調達総額は約28億3,280万円となる。

割当先は、Long Corridor Asset Managementが運用する3ファンドだ。これらは、2025年8月に発行した第8回新株予約権をすべて行使した実績がある。今回の新株予約権がすべて行使された場合に交付される株式は8,000万株で、2026年9月24日時点の発行済株式総数に対する希薄化率は45.01%となる。

同社が2026年2月に株主へ無償で割り当てた第10回新株予約権は、最大約464億円の調達を見込んでいた。しかし、行使価額が106円に固定されていたなかで株価が下落し、6月30日時点の行使割合は約0.59%、払込総額は約2億7,300万円にとどまった。

こうした状況を踏まえ、同社は系統用蓄電池事業を、ビットコインを中核資産とするDAT(デジタル・アセット・トレジャリー)戦略を支える安定的な収益基盤の一つに位置づけた。

初号案件としては、2026年4月に山口県の2MW/8MWh「SCE長州周南蓄電所」の着工を公表した。同年6月には、2件目となる鹿児島県の2MW/8MWh「SCE薩摩伊佐蓄電所」の着工も公表している。完工および系統連系は、SCE長州周南蓄電所が2026年11月、SCE薩摩伊佐蓄電所が2027年2月を予定している。取得価額はいずれも6億3,700万円で、支払残額の計2億5,580万円は手元資金で支払う計画だ。

今回の6億6,000万円は、2MW/8MWh規模の案件1件の取得、開発および設備導入に要する費用として見積もった。既存2案件の取得価額を上回るのは、事業用地や系統連系に関する権利、蓄電池設備などの取得価格が上昇傾向にあるためとしている。現時点で、既存2案件以外に具体的な取得対象は特定していない。

調達資金は、社債の償還を最優先とし、ビットコインの購入、系統用蓄電池事業の順となる。そのため、調達額が想定を下回った場合、系統用蓄電池事業への充当額は減少するか、充当できない可能性がある。行使が想定どおり進まない場合は、新規案件の取得を見合わせ、既存2案件の支払残額に優先的に充当するとしている。

異業種から系統用蓄電池事業への参入は相次いでおり、直近では不動産や投資コンサルティングを手掛けるGATES、広告やマーケティング事業を展開するアドウェイズなどの事例がある。

電力市場に関わる最新のニュースをメールで毎週受け取りたい方は、ぜひエネハブのニュースレター(無料)にご登録ください。

系統用蓄電所トラッカー

国内で公表されている500件以上の系統用蓄電所プロジェクトに関するデータにアクセスできるトラッカーサービス。各案件の事業者、アグリゲーターなどのステークホルダーや設備の詳細情報など、実務に役立つ情報をご覧いただけます。

コーポレートPPAトラッカー

国内で公表されている800件以上のコーポレートPPA契約をデータベース化し、発電事業者、小売電気事業者、需要家などの情報をまとめ、契約単位毎に詳しい情報にアクセスできるようにサービスをご提供します。

その他の電力市場最新ニュース

エネハブでは、公表されている蓄電所・コーポレートPPAの詳細を簡単にアクセスできるデータベースサービスを提供しています:

エネハブでは、公表されている蓄電所・コーポレートPPAの詳細を簡単にアクセスできるデータベースサービスを提供しています:

月次レポート

電力市場&市場トラッカーのサンプル(過去号の完全版)をご希望の方は以下のフォームよりお知らせください。メールでお届けします。