
サンヴィレッジは10月27日、グループ会社が保有する栃木県の出力498.9kWdc/498.9kWac「栃木市皆川城内発電所」で、リパワリングと蓄電池の併設を進めていると発表した。同発電所はすでにFITからFIPへの移行を終えており、工事は2027年3月に完了する予定だ。
同発電所は2016年4月に運転を開始し、10年以上が経過している。本事業では、太陽光パネルとPCS(パワーコンディショナー)を更新したうえでパネルを増設し、DC容量を約827kWまで約66%増強する。AC容量は据え置き、既存の系統連系設備をそのまま活用する。サンヴィレッジのシミュレーションでは、年間発電量が550MWhから920MWhへ約68%増加する見込みだ。
併設する蓄電システムは、ダイヘン製PCSとCATL製蓄電池を組み合わせた容量2.4MWhの設備で、JC-STAR★1認証は取得済みである。サンヴィレッジが自社開発した制御システム「SVゲートウェイ」で太陽光発電設備と蓄電池を統合制御し、市場価格に応じた充放電を行う。アグリゲーターも同社が担う。
経済産業省の事業計画認定情報によると、同発電所は2014年度に、10kW以上の太陽光を対象にFIT価格32円/kWhで認定を取得し、2026年2月にFIPへ移行した。同年7月には、認定上のDC容量が約499kWから818kWに変更されている。なお、サンヴィレッジは発電所の保有者をグループ会社のTKMとしているが、国税庁の公表情報によると、TKMは2021年5月にSVTへ社名を変更している。
サンヴィレッジは今後、本事業で得た運用ノウハウを活かし、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた分散電源のアグリゲーション事業を拡大する方針で、需給調整市場への参入も視野に入れている。また、蓄電池による電力の時間帯シフトを活用し、消費電力量と再エネ由来の発電量を1時間単位で一致させるHourly Matchingへの対応も目指すとしている。
こうしたリパワリングを後押ししているのが、2024年度に見直された増設時の価格の扱いだ。以前は、運転開始後に出力を3kW以上または3%以上増やすと、設備全体に最新の価格が適用されていた。見直し後は、原則として既設分は従来の価格を維持し、増設分にのみ最新の価格を適用して、それぞれの出力で加重平均して価格を算定する。既存の系統連系容量のまま発電量を増やし、蓄電池で放電の時間帯を調整できるリパワリングと蓄電池併設の組み合わせは、今後広がる可能性がある。