
西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)と中国電力は10月29日、中国エリアを中心とした系統用蓄電所事業の共同検討に向けて、基本合意書を締結したと発表した。
今回の協業では、蓄電所の開発および運営は中国電力グループが担い、JR西日本が保有する中国エリアの遊休地や受電設備などの既存インフラを活用する。具体的な案件は公表されていないが、JR西日本は将来的に、高圧および特別高圧の蓄電所を複数地点で展開することを目指すとしている。
中国電力は2025年12月、同社初の系統用蓄電所となる山口県の16MW/48MWh「下松蓄電所1号」の建設を開始した。同じ敷地では、中電工、みずほリースの完全子会社であるエムエル・パワー、日本政策投資銀行と共同で、32MW/96MWh「下松蓄電所2号」の開発も進めている。両案件は、経済産業省の「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に、それぞれ2024年度と2025年度に採択されている。
JR西日本はこれまで、中国電力との90MW太陽光を活用したオフサイトPPAをはじめ、需要家として複数の企業とPPAを締結してきた。JR西日本は、蓄電池事業をインフラソリューション分野の柱の一つとなる事業に育てるとしている。
同様の取り組みとしては、JR九州と住友商事のグループ会社が出資する合弁会社でんきの駅が、JR九州の未利用地で1.5MW/6.3MWhの系統用蓄電所「でんきの駅富合」を開発している。同社はこれまでに熊本県で2ヵ所の蓄電所を運転開始したほか、長崎県で16MW/70MWh「でんきの駅諫早」の建設を開始した。