
(画像:ADワークスグループ)
ADワークスグループ子会社のエー・ディー・ワークス(以下、ADW)は8月31日、熊本県で開発を進めてきた約2MW/約8MWh「ADW熊本益城町蓄電所」が竣工し、引き渡しを受けたと発表した。運用を開始した系統用蓄電所としては、2件目となる。
引き渡し後、卸電力市場での運用を開始している。需給調整市場については事前審査を終えており、2026年11月末頃の参入を予定する。施工会社、アグリゲーター、O&M(運用・保守)の担当企業はいずれも公表されていないが、エネハブの系統用蓄電所データベースによると、蓄電システムはNEXTES製を採用している。
初号案件の「ADW三重松阪市蓄電所」は2026年3月に運転を開始した。サステナブルホールディングスが施工を担い、同社製の蓄電システム「Raptor」を採用している。アグリゲーターはデジタルグリッド、O&Mの担当はJESMで、卸電力市場と需給調整市場での運用を進めている。夕刊三重電子版によると、蓄電所は1.9MW/8.3MWhである。
ADWは、複数の蓄電所で実績を積み上げることで、運用ノウハウの高度化をさらに進めるとしている。初号案件の稼働状況が順調なことを受け、取得目標を従前の10ヵ所から累計15ヵ所へ拡大し、収益機会の拡大を図る。
系統用蓄電所事業の収益について、市場環境に応じて運用と売却を組み合わせることを想定している。同社の試算では、稼働済みの蓄電所を年平均11ヵ所保有し、11ヵ所すべてが初号案件と同等の投資規模と設備仕様で通年稼働した場合、減価償却前の運用収益は年間約8億〜13億円となる。売却については、初号案件の鑑定評価額を基に算出した1案件あたりの含み益が15ヵ所で得られると想定した場合、約17億円を見込む。
ADワークスグループは、本事業を2034年に税引前利益200億円というビジョンの実現を後押しする新規事業と位置づけている。蓄電所の開発では、短期間での開発と系統連系が可能な2MW未満の高圧案件に注力する方針だ。