
経済産業省は、8月6日に開催した専門家会合(次世代電力系統ワーキンググループ)において、需給調整市場への参入を目的とする低圧系統用蓄電池が増加していることを踏まえ、系統アクセス手続きへの影響を抑えるための対策を検討する方針を示した。
具体的な対策として経産省が挙げたのは、接続検討料の引き上げ、土地の確保に関する追加対策、低圧設備への接続検討プロセスの追加、契約申込みプロセスにおける取り扱いなどである。このうち土地の確保については、契約申込み時点で土地所有者と事業者との間でどの程度の確約を求めるかが論点となる。
契約申込みプロセスについては、電源種に関わらず先着優先としている現行の取り扱いの是非を検討する。接続検討料は引き上げを含めた見直しを検討し、引き上げる対象や引き上げ幅などを今後の論点とする見通しだ。
低圧設備は、高圧設備とは異なり接続検討を経ずに直接契約申込みへ進むことができ、個々の設備容量も小さいため、比較的短期間で接続できる可能性がある。また、蓄電所でも、太陽光発電と同様に接続申込みを低圧規模に分割する動きがあるという。経産省は、低圧系統用蓄電池が急激に増加した場合、系統アクセス手続きに大きな影響を及ぼすおそれがあることから、早期の対策も視野に入れて検討を進める考えだ。
経産省はこれまで、接続検討を必要とする高圧以上の発電設備などを対象に、一事業者あたりの接続検討申込み上限件数を設定するなど、接続検討や契約申込みの各プロセスで対策を進めてきた。これまでの議論では、委員から、上限件数の設定だけでは十分な効果が得られない可能性もあるとして、検討料の引き上げも含めて対策を検討すべきとの意見が出ていた。
一方、足元では接続検討数が引き続き増加しており、系統用蓄電池だけでなく、発電設備全体の接続検討にも影響が及んでいる。2024年3月時点の系統用蓄電池の接続検討容量は39.9GW、契約申込みが3.3GWだったのに対し、2026年3月時点ではそれぞれ191.1GW、35.2GWと系統用蓄電池の連系手続きが急速に増加している。既存案件を確実かつ迅速に接続することも課題となっている。
経産省は、新規案件への対策に加え、すでに契約申込みを済ませた系統用蓄電池案件への対応も検討する。容量が確保されている案件の進捗状況などを把握するための実態調査や、事業者側の都合で工事などのスケジュールが遅れている場合の対応についても検討を進めていくとした。