
(画像:出光興産)
出光興産は2月19日、徳島県小松島市の2.8haの水田で、営農型太陽光発電所(出力:1.9MW)の運転を開始したと発表した。
同発電所の設備は、クリーンエナジージャパンが開発したもの。太陽の動きに合わせて太陽光パネルの角度を自動制御する可動式架台と、両面受光型の太陽光パネルを組み合わせている。
架台の高さは3.8mあり、トラクターなどの農機具が問題なく使用できる作業空間を確保している。そのため、作業性・安全性を損なうことなく農業を継続できるという。出光興産が2026年2月に調査したところ、追尾型架台を導入した営農型太陽光発電所としては国内最大級だとしている。
同社によると、太陽の動きや水稲の生育期・非生育期に応じてパネル角度を自動制御することで、農業と発電の両立が可能になったという。具体的には、水稲の生育期ではパネル下の水稲への日照を優先し、発電量は両面モジュールの裏面受光も活用し、低下分を補う。逆に、稲刈り後から翌年の田植え前までの非生育期ではパネルへの日照を優先し、通年で高い発電量を確保するという。
同発電所は2023年に千葉県木更津市で行った45kWの実証事業の結果を踏まえ、規模を拡大し、2025年2月に着工した。同実証では、農作物の収量に影響を与えることなく、従来の地上設置型の太陽光発電と同等の発電量を達成できることが確認されている。
国の「第7次エネルギー基本計画」における、2040年度の電源構成を実現するためには、太陽光発電を設置する面積は現状の2~3倍にあたる15~20万haが必要と見込まれている。一方で、大規模な太陽光発電所の新設適地は減少傾向である。
そこで出光興産は、国内に約440万haある農地のうち約240万haを占める水田と、農地の上部空間を活用する営農型太陽光発電に着目。農地全体の約5%を活用できれば、国内で現在稼働している太陽光発電設備の約2倍に相当する発電容量の導入が可能と試算している。