
(画像:マツダ)
マツダとオリックスは10月30日、マツダおよび同社のサプライヤーを対象に、オンサイトPPAとバーチャルPPAを組み合わせた取り組みを開始するとそれぞれ発表した。
オリックスが広島県と山口県の3ヵ所に太陽光発電設備を設置する。このうち1ヵ所の余剰電力に相当する環境価値は、バーチャルPPAを通じてサプライヤーの東洋鋼鈑に提供する。
1ヵ所目は、広島県広島市で2026年11月に竣工予定のマツダの物流施設「マツダKDセンター」である。オリックスは同施設に出力2.2MWの太陽光発電設備を設置し、同月からマツダと、同施設を利用するマツダロジスティクスに電力を供給する。初年度の発電量は約2.6GWhを想定しており、このうち約77%を施設内に供給する。残る約23%に相当する環境価値は、非化石証書として山口県にある東洋鋼鈑の下松事業所に提供する見込みだ。
このほか、広島県のマツダ三次事業所と、山口県にあるサプライヤーのキーレックスの防府工場でも、それぞれ出力800kWの屋根設置太陽光発電設備を導入する。供給開始は三次事業所が2026年12月、防府工場が2027年6月の予定である。三次事業所では、新品の車載用リチウムイオンバッテリーを活用した蓄電池システムも導入する。マツダによると、太陽光の余剰電力の有効活用と、電力需要のピーク抑制が狙いである。設計および施工は、3ヵ所ともソルコムが担う。
マツダは、2035年にグローバルの自社工場でカーボンニュートラルを実現する目標を掲げており、再エネの導入をその柱の一つに位置づけている。エネハブのPPAデータベースによると、同社は2023年3月にも、東洋シートとともに、長州産業が新設する太陽光発電設備から電力を調達するオフサイトPPAを締結している。
東洋鋼鈑もPPAによる再エネ調達を進めている。2024年1月には、下松事業所向けに、中国電力と営農型太陽光を活用した出力64MWのオフサイトPPAを締結した。2026年3月には、同社グループ初となる風力由来のバーチャルPPAとして、HSEと陸上風力3ヵ所から年間18GWh相当の環境価値を調達する契約を結んだ。同年8月には、エネルギア・ソリューション・アンド・サービスが保有するFIP太陽光3ヵ所から環境価値を調達する契約も締結している。
自動車業界では、ほかにもPPAによる再エネ調達が広がっている。同データベースによると、本田技研工業はインベナジーが北海道で運営する「留寿都風力発電所」から環境価値を調達するバーチャルPPAを結んでいる。また、SUBARUは太陽光とバイオマスを対象とするオフサイトPPAを締結している。