4月1日に再エネ海域利用法改正法が施行、開発区域をEEZにも拡大、環境省による事前調査も実施

2026年4月18日
2025年3月に閣議決定した改正法が今年4月に施行

「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)の一部を改正する法律が、2026年4月1日に施行された。今回の改正では、洋上風力発電の導入拡大に向け、開発海域の拡大や事前の環境調査の実施など、制度面での見直しが行われた。

今回の法改正では、洋上風力の開発対象海域を排他的経済水域(EEZ)まで拡大した。これは2025年3月に閣議決定された改正法案に盛り込まれていたものである。これまで領海内(沖合12海里、約22km)に限定されていた開発が、最大200海里(約370km)まで可能となる。

EEZにおける開発は、経産省が「募集区域」を指定し、事業者から計画案を募集する仕組みとなる。提出された計画案は、経産省と国交省による仮許可を経て、関係者を含む法定協議会での協議を踏まえ、基準に適合した場合に開発が認められる。

また、促進区域の指定前段階で実施する、環境省の海洋環境等調査の実施も改正の柱の一つである。従来は、「有望区域」の整理や「促進区域」指定の際に、都道府県から提供された情報をもとに意見提出が行われていた。しかし、今後はこれに加え、環境省が現地調査を実施し、その結果を踏まえて当該海域が促進区域に適しているかを判断する。こうした見直しには、案件の環境制約を初期段階で可視化し、事業の不確実性を低減するとともに、関係者間の合意形成を円滑に進める狙いがある。一方で、「準備区域」および「有望区域」の整理や、法定協議会の設置といった従来のプロセスに変更はない。

調査項目や手法は、地域特性や想定される風力発電事業に応じて、区域ごとに判断される。調査内容は、関係自治体などの意見を踏まえて「海洋環境等調査方法書」として取りまとめられ、これに基づき調査を実施。結果は経済産業大臣および国土交通大臣に通知、公表される。この「海洋環境等調査方法書」は、従来事業者が実施していた計画段階環境配慮書や環境影響評価方法書に代わる位置づけとなる。これにより、事業者はこれらの手続きを省略することが可能だ。公募で選定された後は、調査方法書の内容を踏まえ、環境影響評価準備書や評価書の作成に進むことになる。

また、促進区域の指定要件などを定めた「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域指定ガイドライン」についても改訂が予定されている。改訂案は、2026年4月8日〜5月8日までパブリックコメントが実施されており、環境省による海域調査の内容が新たに盛り込まれる見込みだ。

加えて、同ガイドラインに基づき有望区域への整理を検討する段階において、事業性確保の見込みを総合的に判断する精度を高める。自然的条件および連系点までの陸上自営線の距離などについて参考指標を設け、それにしたがって評価を行う。参考指標のイメージとしては、風況(平均風速)、水深、陸上自営線の距離ごとに基準を設定する方法である。例えば水深については、15m未満または50m以上の場合は「要精査」と判断する考え方が示された。

今回の制度改正は、開発エリアの拡大と事業の実現性向上を両立させることを目的としている。これにより、今後の洋上風力発電の導入加速に向けた環境整備が進むことが期待される。

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