
(画像:日本ガイシ)
日本ガイシは10月31日、同日に開催された取締役会においてNAS(ナトリウム硫黄)電池の製造事業から撤退する方針を正式に決定した。
今後の受注は、すでに最終協議段階にある案件に限定し、既存在庫で対応可能なもののみを扱う。最終出荷は2027年1月頃を予定し、出荷後もアフターサービスは継続する方針だ。
同社は、撤退理由として「NAS電池の特長である長時間・大容量蓄電に対し、市場での持続的な需要が形成されるまでにはなお時間を要する」と説明した。実際、2024年度のNAS電池売上高は約65億円で、同社の総売上高のわずか1%にとどまっている。さらに、最近、顕著となっている部材コストの高騰やリチウムイオン電池との競争激化などの複合的な要因が重なり、将来的に安定した操業と収益確保が困難であると判断したという。
日本ガイシは2002年に世界で初めてNAS電池を商用化した企業であり、2019年からはドイツの大手化学メーカーBASFと協業し、性能向上やコスト低減、グローバル販売網の強化に取り組んできたが、他のパートナーの参入も模索したものの、2025年9月に協議を打ち切った。
NAS電池は小型システムのほか、本年5月に運転を開始した東邦ガスの「津蓄電所」や、2025年10月に運転を開始したSALAエナジーの「サーラ浜松蓄電所」にも採用されている。いずれも、運転継続時間6時間の蓄電所(各11.4MW/69.6MWh)である。