
(画像:四国電力)
電源開発(以下、「Jパワー」)は2024年6月、高知県高知市の石炭火力発電所「土佐発電所」(出力:167MW)について、2025年3月末をもって事業を終了することを発表し、予定通り運転を終了した。
発電事業者の土佐発電は、3社共同事業として土佐発電所を運営し、2005年4月に太平洋セメントの土佐工場敷地内で運転を開始した。運転期間は20年にわたり、Jパワーが45%、四国電力が25%、太平洋セメントが20%の持株比率で事業を行っていた。
3社の共同発表によると、石炭価格の高騰や国による非効率石炭のフェードアウト方針など事業環境の変化が影響し、事業の継続が困難と判断したため、事業の終了を決めた。
なお、土佐発電は2025年4月1日付で経済産業省の発電事業届出事業者の一覧から削除されたことが確認されている。
非効率石炭火力のフェードアウトに関して、経済産業省は2021年に開催した専門家会合(電力・ガス基本政策小委員会)において、発電効率目標を従来の41%から43%に引き上げることで合意していた。これが土佐発電所事業終了の一因となったとみられる。
また、北陸電力の富山県射水市にある「富山新港火力発電所」では、環境負荷の少ないLNG火力を新設するため、石炭1号機(出力:250MW)の廃止が決まっている。同発電所は当初2017年度に廃止する計画だったが、2025年3月に2度目の廃止の延期が発表され、現在は2028年度に廃止予定となっている。
これらの動きは、世界的な脱炭素化の流れの中で、石炭火力からLNG火力への移行が進んでいることを示している。