
電力広域的運営推進機関(以下、「広域機関」)は11月4日、「陸上風力第5回入札(2025年度)」の結果を公表した。対象は出力50kW以上のリプレース案件を除く陸上風力発電設備であり、募集容量は900MW、入札した14件・合計650.8MWすべてが落札され、平均FIP価格は11.96円/kWhとなった。なお、「バイオマス第8回入札(2025年度)」の結果についても同日公表されたが、入札はなかった。
過去の入札結果と経済産業省のFIPデータから、全落札容量のうち、約80%に相当する520.8MWが、過去の入札で落札されたものの事業認定を取得できなかった案件への再落札であったことが示唆される。
このうち、ENEOSリニューアブル・エナジーの5案件(合計出力:290.7MW)と王子グリーンリソースの1案件(出力:64.5MW)は、「陸上風力第4回入札(2024年度)」で落札した価格と同一価格で落札されていることが分かっている。また、前回入札と同一の落札事業者および出力の案件がこのほかに4件あり、いずれも入札価格を引き下げて落札している。
前回入札で落札していなかった事業者は、計4事業者(各1案件)である。具体的には、ユーラスエナジーホールディングス(68.8MW、12.98円/kWh)、森ビル(42MW、11.18円/kWh)、のぞみエナジー(17.2MW、11.00円/kWh)、グリーンエコエナジー・アセットマネジメント(2MW、12.88円/kWh)。
第5回入札の落札価格は、11.00円/kWhから上限額の13.00円/kWhの範囲となった。入札参加資格の審査のために提出された事業計画数の合計は16件、そのうち1件は参加資格がなく、残る1件は入札資格があったものの入札には参加しなかった。
陸上風力の追加入札については、第5回入札の容量が1.2GWを超えた場合に実施する決まりであることから、今年度内の追加入札は実施されない。
入札前には非公表とされているバイオマスの入札価格上限は、前回の17.80円/kWhから18.20円/kWhに引き上げられた。しかし、今年度も入札がゼロであったことから、2022年度以降4年連続で入札がなかったことになる。バイオマスの入札は来年度から廃止され、新規バイオマス案件への支援は固定価格の電源区分に限定されることが決まっている。
また、広域機関は、陸上風力およびバイオマス入札と同時に「着床式洋上風力発電第4回入札(2025年度)」を実施する予定だった。しかし、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)に基づく第1ラウンドで落札された案件から、三菱商事主導のコンソーシアムが撤退した。これを受けて国は、洋上風力発電に係る電源投資を確実に完遂させるための事業環境整備について、年内を目処に整理する必要があることから、入札の延期を決定した。