
(画像:関西電力)
関西電力は9月26日、和歌山県御坊市の「御坊火力発電所」に設置している600MWのタービン3基のうち2基を、2026年6月末までに順次廃止する計画であると発表した。
まず、2016年4月1日から停止している2号機を2025年10月31日までに廃止し、次に現在稼働中の1号機を2026年6月30日までに廃止する予定。両機とも運転開始からすでに40年以上が経過しており、設備の老朽化が進み稼働率が低下していた。複数のメディアによると、同じく運転開始から40年を迎えている3号機についても、予備電源の入札もしくは廃止が検討されるという。
御坊火力発電所は、日本で初めて外海の人工島35haに作られた発電所で、重油および原油を燃料とし、1984年9月から1985年3月にかけて段階的に運転を開始した。
関西電力は合計7ヵ所の火力発電所を保有しており、石油火力は同発電所と灯油を燃料とする「関西国際空港エネルギーセンター」(出力:40MW、大阪府田尻町)の2ヵ所、石炭火力は京都府の「舞鶴発電所」(出力:1.8GW)1ヵ所である。
残る4ヵ所はLNG火力で、同社最古の火力発電所である「姫路第一発電所」(出力:1.44GW)は、現在の2基から高効率ガスタービン3基へのリプレース計画が進められており、2025年9月に環境影響評価方法書を公表し、2033年度の運転開始を予定している。近隣にある「姫路第二発電所」(総出力:約2.9GW)は、高効率ガスタービンを6基備え、構内にLNG基地も有する同社最大のLNG火力である。
大阪府には、「堺港発電所」(出力:2.0GW)と「南港発電所」(出力:1.8GW)がある。同社最古のLNG火力である南港発電所は、老朽化により2025年3月31日をもって運転を終了しており、3基を高効率ガスタービンへ更新した上で2030年度の再稼働を目指し、2025年7月に環境影響評価準備書を公表している。