
9月27日、自民党の総裁選の投開票が行われ、石破茂氏が選ばれた。
総裁選は衆参両院の議長を除く国会議員票と自民党員/党友票それぞれ368票を合わせた736票で争われ、今回は1972年に現在の推薦人制度が導入されて以降、最多となる9人が立候補した。
今回、議員投票と党員投票で過半数を得た候補者がいなかったため、上位2人による決選投票が行われた。その結果、石破茂氏が215票、高市早苗氏が194票となり、石破氏が第28代自民党総裁に選出された。
石破氏のエネルギー政策は、高市茂氏とは対照的な立場を取っている。石破茂氏は原発には消極的で地熱や小水力発電の可能性を引き出し、再エネを積極的に活用することで原発への依存度の低減を目指していくと主張してきた。総裁選の出馬表明後は、「安定したエネルギーの供給は国家の生命線だ」と発言し、安全性が十分確保された原発の活用に前向きな考えを示したものの基本的には原発のウェイトを下げる考えである。
核融合発電については、研究開発と研究者の養成を支援するための支援を政府として充実させる必要性を訴えている。また、「実用化されれば全く違うエネルギー供給が可能になる」と核融合に期待を寄せている。
一方、決選投票で争った高市氏は、原子力発電に積極的であり、SMR(小型モジュール炉)の地下への立地を積極的に後押しすることを掲げていた。また、内閣府特命担当大臣(科学技術政策)の現職としても、核融合開発を国家プロジェクトとして推進してきており、国として2030年代の安定供給電源の柱として実用化を目指すための戦略にも関わってきた。
また、現在のエネルギー基本計画で再エネ比率が36〜38%に設定されていることについては再エネに偏りすぎているとの立場で「日本の産業は成り立たない」とも過去に発言し、核融合炉の開発を積極的に進めるべきだと主張。また、今年度中に第7次エネルギー基本計画が策定されるが、総裁に選ばれたら「原発依存度を可能な限り低減」と第6次エネルギー基本計画の文言を「削除する」考えを示していた。
2023年2月に現岸田内閣は政府のこれまでの原発政策を転換し、原子力を脱炭素電源として最大限活用する方針を閣議決定した。石破氏が総裁に選ばれたことで、原発政策については一定程度、岸田内閣の政策を引き継ぐものと思われるが、現行の第6次エネルギー基本計画に記載されている「再エネの最大限の活用」が基本軸になる可能性は高い。
今後については、10月1日に招集される臨時国会において第102代首相として石破氏が選ばれることになる。