
経済産業省・エネルギー庁の2025年度予算「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」の執行団体である一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)は12月25日、採択事業者を決定した。
2025年8月末〜10月末にかけて公募した結果、37件の蓄電システム事業が採択され、補助総額は約363億円となった。これは、2024年度実績(約346億円)と比べると約4.9%(約17億円)増である。なお、水電解装置の導入事業での採択はなかった。
採択された37件のうち、補助額2,000万円未満が19件、2,000万円〜10億円未満が7件、10億円以上の案件が11件であった。補助額が最も高かった事業者は、オリックスで山形県と大分県の案件の合計が約75億円。三菱地所、伊藤忠商事、東京センチュリーの福岡県における特別高圧蓄電所の共同事業は、補助上限額の40億円となった。
エリア別の交付額は、九州エリアで採択された8件が交付額合計の約27%(約98億円)を占め、中部エリアの5件は全体の約20%(約74億円)を占める。エリア別の採択件数は、中国エリアが10件と最も多く、沖縄を除くエリアでは北陸エリアが唯一採択のない地域となった。なお、北陸エリアからの申請の有無については明らかではない。
採択事業者のうち、系統用蓄電所事業への参入を発表していない事業者も採択された。なかでも、印刷事業や不動産事業を手掛ける興和紡は、三菱HCキャピタルとの共同事業に加え、単独案件でも採択を受けている。
採択された事業者は以下の通り(金額は補助額)。
北海道エリア
- 株式会社重建、171,300,665円
- 株式会社東釧路蓄電所、3,824,696,500円
- ミツウロコグリーンエネルギー株式会社、908,546,500円
東北エリア
- 株式会社IBeeT・東急不動産株式会社(宮城県)、1,128,544,328円
- オリックス株式会社(山形県)、3,995,282,803円
- 株式会社RS Technologies(福島県)、381,727,566円
関東エリア
- バンプージャパン株式会社(栃木県)、2,703,690,528円
- ファームドゥ株式会社(埼玉県)、156,434,703円
中部エリア
- 湖東興産株式会社(長野県)、188,946,161円
- 東光電気工事株式会社(岐阜県)、152,216,666円
- 三菱HCキャピタル株式会社・興和紡株式会社(静岡県)、2,980,889,664円
- ENEOS Power株式会社(静岡県)、2,546,402,319円
- 興和紡株式会社(愛知県)、1,563,575,085円
関西エリア
- 株式会社オリエントマイクロウェーブ(滋賀県)、188,090,676円
- 湖東興産株式会社(滋賀県)、188,011,568円
- 森トラスト株式会社(滋賀県)、323,007,136円
- 株式会社クリハラント(兵庫県)、470,176,869円
- 三井住友ファイナンス&リース株式会社・美樹工業株式会社(兵庫県)、253,396,515円
中国エリア
- 株式会社RYODEN・日本エネルギー総合システム株式会社(鳥取県)、224,305,613円
- 一畑住設株式会社(島根県)、171,300,665円
- 株式会社三栄産業(岡山県)、148,151,932円
- 株式会社キートス(岡山県)、212,009,562円
- 日本エネルギーホールディングス株式会社(岡山県)、150,681,424円
- 中国電力株式会社・株式会社中電工・エムエル・パワー株式会社(山口県)、2,654,678,106円
- 株式会社山陽自然エネルギー(山口県)、171,300,665円
- 有限会社ティ・コーポレーション(山口県)、170,927,332円
- 株式会社宮本建材(山口県)、171,533,998円
- ES技研株式会社(山口県)、137,250,000円
四国エリア
- 三共エンジニアリング株式会社(愛媛県)、171,533,998円
九州エリア
- 株式会社杉建(福岡県)、154,359,999円
- 株式会社杉建(福岡県)、160,860,000円
- 株式会社サンシャイン九州本部(福岡県)、171,753,333円
- 株式会社サンシャイン九州本部(福岡県)、118,763,666円
- 三菱地所株式会社・伊藤忠商事株式会社・東京センチュリー株式会社(福岡県)、4,000,000,000円
- コスモエネルギーホールディングス株式会社(長崎県)、133,269,015円
- 株式会社上組(大分県)、1,525,771,100円
- オリックス株式会社(大分県)、3,543,575,358円
同補助金では、最大受電電力が1MW以上の蓄電システムが対象となり、補助率は採用する蓄電池技術に応じて1/3〜2/3以内とされている。例えば、リチウムイオン電池やレドックスフロー電池を採用し、最大受電電力が10MW以上の場合は、補助率が1/2以内となり、補助上限額は40億円である。一方、設備規模が1MW以上10MW未満の場合は、補助率1/3以内、補助上限額は10億円となる。さらに、同補助金は最大3年度にわたる複数年度事業として申請することができる。