
深刻な課題を抱えている
経済産業省の専門家会合(制度検討作業部会)は2月26日、FIP(フィード・イン・プレミアム) 認定を取得した洋上風力事業の容量市場メインオークションへの参加を2025年度応札から認める方針を示した。
これにより、洋上風力発電の事業実施の確実性を高める狙いがある。参加条件として、洋上風力発電の公募で入札価格が3円/kWh以下の「ゼロプレミアム水準」の事業であることが前提である。
現在、FIT(固定価格買取制度)およびFIPは、固定費の二重回収を防止する観点から、容量市場への参加を認めていない。しかし、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)に基づく洋上風力発電の公募では、入札価格が3円/kWh以下の「ゼロプレミアム水準」で入札した案件に対しては、基準価格と市場価格との差によるプレミアムが付かない。このため、ゼロプレミアム水準の事業が容量市場に参加しても、固定費の二重回収を避けることができるとしている。
FIP電源の容量市場への参加に際しては、卸電力市場の価格影響を受けるバランシングコスト相当分のFIP交付金の受領を放棄することが前提となる。バランシングコストの交付額は、発電所運転開始初年度は1円/kWhからスタートし、その後は毎年減額を受ける。
さらに、専門家会合(調達価格等算定委員会)が発表したバランシングコストの増額案によると、2025年度は従来の交付額に初年度にさらに1円/kWh上乗せし、FIT・FIP認定案件全体のうち、FIP比率が約25%に達する年度まで一定額を上乗せする計画である。
過去の公募結果をみると、洋上風力の第2ラウンドおよび第3ラウンド(第1ラウンドはFIT制度の下で入札) の5件のうち、4件が「ゼロプレミアム水準」での落札だ。経産省は、供給価格評価に「準ゼロプレミアム水準」として14円/kWhを新設する予定であり、今後3円/kWhで落札される案件の割合が減少する可能性もある。
容量市場における非FIT・非FIPの風力の応札容量は、2020年度応札(実需給年度:2024年度)ではわずか2MWだったものが、2024年度応札(実需給年度:2028年度)では22MWにまで増えており、今回の制度変更により、今後さらに市場が成長する見込みである。
なお、容量市場のエリアプライスは約3,500円/kW〜15,000円/kWをつけており、応札年度やエリアに応じて調整係数を適用し、電源の供給信頼度を考慮した評価を行っている。なお、直近のオークションにおける風力の調整係数は、17.6%〜32.7%である。
サプライチェーンのひっ迫やコストの上昇による事業環境の変化を受け、三菱商事が事業性の再評価を行ったことに見られるように、経産省は事業者が洋上風力発電の電源投資を確実に完遂できるよう、制度の見直しや新たな対応策を検討している。