米インターコンチネンタル取引所、日本電力先物取引を開始

2024年12月12日
国内の大手電力会社は、ICEで燃料取引を既に行なっているため電力と組み合わせた取引需要を狙う(画像:ICE)

米インターコンチネンタル取引所(ICE)は12月9日、日本の電力先物取引を開始した。同取引所は、ニューヨーク証券取引所などを運営する取引所大手である。国内の電力先物取引としては、TOCOM(東京商品取引所)、EEX(欧州エネルギー取引所)、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に続き4つ目となる。

ICEは、東京・関西エリアのベースロードおよびピークロードの先物取引を提供し、ピークロードはJEPX(日本卸電力取引所)のスポット市場の8時〜20時までのコマ(30分)毎の取引価格を対象としている。

ICEにおける日本の電力先物取引は月間、四半期、季節毎の商品に加え、暦年および会計年度ごとの商品がある。また、東京・関西エリア間でスプレッド取引を行うことで、地域間のポジションや価格差、地域ごとの価格リスクを管理することができるという。

また、ICEのユーティリティー市場担当マネージング・ディレクターのゴードン・ベネット氏は「電力をはじめとする二次燃料は、天然ガス、石炭、石油などの一次エネルギー源を変換することでつくられ、電力の価格は、ICEで取引されるこれらの燃料が相互に影響しあうことで算出されます。天然ガスと石炭は日本の発電量の大部分を占めており、ICEにおけるこれらの先物取引を通じて、お客様はより良い価格で取引できることを期待できます。」と述べた。

日本の電力先物取引は、小売電気事業者などの間でヘッジの重要性が認識されるようになり、近年取引量が増加している。TOCOMは2019年に日本電力先物を試験的に導入し、2022年に本格的に運用が始まった。CMEは2021年に日本の電力先物を、2022年にはオプション取引を開始している。

EEXは2020年5月から日本の電力先物取引を開始し、先物取引の約90%のシェアを持つ。同取引所の2024年上半期の取引量は、前年同期比3.4倍の28.9TWhとなったことが発表されている。また、2025年第1四半期にはオプション取引を導入する計画であると報じられている。

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