
飲食事業を中心に事業を展開する海帆は6月24日、系統用蓄電所事業への参入に伴い、鹿児島県霧島市で系統用蓄電所(1.96MW/8.13MWh)を取得すると発表した。同蓄電所の運転開始は、2027年6月を予定している。
取得対象の蓄電所は、約1,411m2の敷地にHuawei製のコンテナ型蓄電池「LUNA2000-2.0MWH-2H1」4基を設置する計画で、PCS(パワーコンディショナー)も同社製を採用する。土地取得から系統接続の手続き、行政対応、EPC(設計・調達・建設)はTOFU合同会社が一括で担い、海帆はそれらの土地および権利を取得する予定だ。
取得総額は6.16億円で、そのうち3.04億円は、2025年5月に海帆が実施した第三者割当増資により調達した資金の一部を充当する。当初は再エネ事業における借入金の返済に充てる予定だったが、再エネ事業の拡大と収益機会の創出に向けて資金使途を変更した。
また同日、海帆は中国建材国際工程(CTIEC)との間で、販売向け太陽光発電所の建設や、蓄電所および風力発電所の取得に関する基本合意書を締結しており、事業の多角化に取り組んでいる。
エネハブのデータベースによると、同社はPPA事業にも積極的に取り組んでいる。2023年5月に子会社であるKRエナジー1号とアマゾンデータサービスジャパンとの16.3MWのバーチャルPPAを締結した。また、2025年5月末時点で、KRエナジー1号は、同PPAの実施に向けて148ヵ所(7.3MW/AC)の太陽光発電所を取得し、そのうち107ヵ所(5.3MW/AC)が稼働している。
さらに、2025年6月には、日本GLPの子会社FPSと電力受給契約を締結した。発電規模から、アマゾンデータサービスジャパン向けの発電所が対象とみられる。今後は、KRエナジー1号が環境価値を需要家に供給し、FPSがアグリゲーターとして電力を卸電力市場に売電する計画だ。